2022年10月4日
突然の大型減税案発表で市場を揺らせ(イングランド銀行ショック)、あっさり撤回して再び市場を揺らせた英国新首相トラス氏。その「ちゃぶ台返し」が巡り巡ってドル金利安、ドル安となり金には追い風となった。
3日のロンドン市場では「撤回」報道で、財政不安により投げ売りされていた英国債が買い戻され、英国の金利は急落した。これがニューヨーク市場にも伝播。先週は一時4%を突破していた米10年債利回りが3.6%台まで続落した。外為市場ではドルインデックスが111台まで下落。対円では円高圧力となった。
時あたかも、昨日は円安が新黒田ラインとされる145円を突破したまま欧米市場に引き継がれ、NY市場では円売り仕掛け人たちが「ホームグラウンド」で待ち受けていた。
しかし、思わぬ英国発ドル安の流れに手をこまねく結果となった。
日銀対ヘッジファンドのせめぎ合いは仕切り直しと言ったところか。
そしてドル金利安、ドル安となれば金には格好の上げの機会。
そもそも1600ドル台が底値圏と見られていたので、1700ドル台に戻っても驚きはない。
なお、クレディ・スイスの財務不安観測も3日のドル金利安の一因となった。市場波乱回避のためFRBとECBが利上げペースを鈍化させるとの連想が働いたのだ。同銀行の株価は4ドル前後の安値圏で推移している。CEOが財務健全を示す数値を書き入れたとされる書類を入手したとか、或いはインベストメントバンキング部門社員の退職金は高額ゆえリストラ経費捻出の目途が立たないとか様々な観測が飛び交った。
さらに、FRBの金融政策関連では3回連続0.75%利上げの効果点検のため11月は利上げを一回休むべき(pauseボタンを押す)との少数意見も再度俎上に上った。米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数の悪化が利上げ不況の兆しを想起させたからだ。
国際金価格がこのまま素直に上がり続けると見るほど楽観はできないが下値は固まりつつある。
さて、「ミュンヘン・サッポロ・ミルウォーキー」というビールのCMを覚えている読者はまず少ないだろうね。なんせ1958年のビール会社CMだから(笑)。3都市とも北緯45度前後に位置するビールの一大産地。
時を経て、今筆者の仕事ラインは「サッポロ・トウキョウ・ニューヨーク」。
NY市場の情報を的確に掴み、東京の筆者が咀嚼。YouTubeに載せる時は札幌サテライトオフィスで知り合った専門家の若衆がアシストしてくれる。情報収集から発信まで全てネット経由の時代になったことを痛感している。私が何処にいるかは関係ない。ネット環境さえあれば仕事ができる。札幌でも裏磐梯でも越後湯沢のスキー場でも東京でもNYでも。ウォール街に出張した時、たまたま古いビルの奥まったレストランで2時間ほど会食したのだが、ネット環境が劣悪でウォール街のど真ん中にいつつ、情報の離れ小島に居る思いとなった経験を思い出す。
豊島逸夫チャンネル
豊島逸夫チャンネル↑も既に登録者数1万2千を超え、予想外のスピードで成長中だ。一回の投稿に10万近いアクセスがあることもあり、興味深いのは金に関しては初心者が圧倒的に多く、新たなセグメントということ。日経マネーの投資家調査だと近年は投資判断に使うメディアとしてYouTubeが30%以上と断トツ。
私にとってもツイッターより5分程度YouTubeライブ発信する方が楽だし、文字数制限もなくタイムリーに語れる。
画質が良くないとか素っ気ないとか色々ご意見もいただくが、本人は取りあえずメッセージが伝われば良いと相変わらずの大雑把。YouTubeで見かける金関連配信はあざとくえげつないトーン&マナーが目立つ。筆者は「上品に尖がる」ことを重要視する。言うは易く、行うは難しだけどね~。
ひとつ抵抗感があることが、YouTube=金儲けの発想。
収益化とか投げ銭とか言われても私流の発想には無い。
「登録者1万超えで収益化を考えないなんて、豊島さんぐらい。」とスタッフには言われるが、投げ銭って芸人への「おひねり」みたいなイメージがあるのだけど(笑)古い発想なのかな~。
金に関するYouTubeはNIKKEI「マネーの学び」のゴールド編↓が好評で続編企画中だ。こちらは日経CNBCのスタッフとYouTubeスタジオを使った本格編。私が仕事場から発するのとは異次元のきっちりしたスタイルだね。
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勿論、豊島逸夫チャンネルでも例えば読者の質問に答えるなど、いろいろ用途は広い。特にこのブログ読者限定で質問も受けるバージョンをやりたい。限定公開のプロセスを検討中。全面公開にすると何が起きるかと言うと、まずブログ読者には当たり前のことでも超初心者向けにも説明せねばならない。更にアンチゴールドの人も少なくないので、コメント欄が悪意ある表現で汚れるというデメリットもあるのだよ。特に私は「先物には手を出すな」と明言しているから(ここが先物セミナーも引き受ける亀井君や池水君との決定的違いなのだけど、私の信念みたいなもの)それを快く思わない人たちから敵視される経験事例は枚挙にいとまがない。かと思えばこんな事例もある。リモートセミナーで何か引っかかるコメントを繰り返し書き込んでいるので後でよく見たら、私の過去の原稿など、くまなく読んでいる。つまり私の大ファンでただただ自分の方を見て欲しいということだと分かった。いろいろあるのだよ。