豊島逸夫の手帖

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CPI発表後、NY金急落、円は遂に147円台

2022年1014

3599.png注目のCPI(米消費者物価指数)発表後、NY金はKITCOグラフ緑線の如く1680ドル台から一気に1640ドル台まで急落、その後1660ドル台まで値を戻すという急展開。

まず、CPIは事前予測を上回り、8%台の高水準。

ドル金利は急騰。ドルインデックスも急騰。従って金は急落。

ダウ平均株価は初期反応で400ドル以上急落後、これが凄かった。何と終わってみれば前日比800ドル以上の上げ。一日の値幅は1300ドル近く!

これは明らかにショートカバー。アルゴ系と言われる短期筋が事前にCPI悪化を見込んで、株を空売り。そして思惑どおり下がったところで、一人が利益確定の買い戻しに動くと一斉に我も我もとショートカバーに走った結果だ。大した話ではない。

さて、重要なことはインフレがしつこいのでFRBの利上げ予測も変わってきた。11月0.75%、場合によっては1%幅の利上げ。更に12月も0.75%の利上げ。その後ペースダウン。但し5%に近い政策金利は10か月ほど維持する。なお既に0.75%利上げの劇薬を3回接種したが、その効果も判定できぬまま、更に2回接種するというシナリオゆえ副作用も強く、2023年後半米国経済リセッション入りの確率も高まる。そこが安全資産としての金の出番にもなる。これ重要なこと。

更に、英国の年金危機が米債券市場に伝染して、ポンド金利上昇とともにドル金利も上昇というドル高要因となり、円安を加速させるリスクにも目配りが必要。日銀はFRBとイングランド銀行を両睨みせねばならない。2元連立方程式が3元連立になってしまった。お困りのこととご推察申し上げる。

なお、YouTubeでCPIライブを昨日の午後9時20分から、そして本日は午前7時からNY市場の大変動と利上げ予測変化について語った。

CPI米国消費者物価上昇率発表、ライブ、これからどうなる

CPI発表後、株価急反騰の理由、利上げ予測も大きく変化

また、本日の日経新聞朝刊マーケット商品面にピンクダイヤモンドが5.3億円で落札された記事の掲載あり。今の社会の断面を浮き彫りにする興味深い内容で、筆者も「富裕層は目先のインフレに動じておらず、10~20年先など中期的に価値を保全できる実物資産を買っている」とコメントした。

最後に、以下のクレディ・スイス関連記事(筆者コメント)がヤフーで流れている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ca363a37c837c3e72b74217b1a7fb4d9e11b06d4

2022年