豊島逸夫の手帖

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為替介入とクレディ・スイスのXデー

2022年10月27日

一昨日本欄で為替介入のXデーは11月2日と書いたところ、報道ステーションから「写真」出演依頼が来て、昨晩以下の画面で報道された。

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「アメリカの利上げが頭打ちになっても、利下げにはならず、4%程度の高水準の政策金利が少なくとも来年前半は維持されるから、日米金利差による円安傾向のファンダメンタルズは変わらない」との最後の締めが時間切れ。地上波ではありがちなことでやむを得ない。

これだけのコメントだけど昨日午後に飛び込み、それから2時間はかけたかな。丁寧に担当へ説明して、その上でこのようなボードを作成して、デスクがチェックして、修正して、私もチェックして、修正入れたり。行ったり来たりでOA直前までバタバタだったよ。全部で5分程度の時間割だったので地上波としてはまずまず。数十秒程度に収まることが当たり前だからね。そもそもこの種の経済ネタは経済の基礎知識が無いと理解できないので、制作にも時間がかかるのだ。慣れているので粛々と進めるだけ。

そして本日10月27日はクレディ・スイス再建案発表。今晩ワールドビジネスサテライトにビデオ出演。日本時間午後に発表される予定で、それを読み込み、欧州市場寄り付きの反応を見て、ぶっつけでカメラの前で語る。後は編集任せ。SNSで拡散されたような破綻にはならないが、マネー収縮の時代を象徴するような名門銀行の財務危機だ。昨日は欧州の大手銀行が相次いで好決算発表。利上げによりマイナス金利を脱し、銀行経営には追い風となっている。

しかし、クレディ・スイスだけは例外。大リストラと儲け頭だった投資銀行部門の切り売りで、30億スイスフラン(4400億円程度)の資金不足のやり繰り。今後は伝統的得意分野の富裕層資産運用業務(プライベートバンキング)が戦略的セクターとなろう。まぁ元スイス銀行トレーダーとしてはライバル行ではあったがクレディ・スイスの落日は寂しい感はあるね。

2022年