豊島逸夫の手帖

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欧州のエネルギー危機

2022年8月24日

市場は、ロシアによる天然ガスパイプラインのノルドストリーム閉鎖の可能性に揺れている。もしこれが閉鎖されたらドイツは今年の冬を越せるのかというほどのエネルギー危機に見舞われる。早速天然ガス価格は急騰。これもインフレ要因となるのは必至。

振り返れば、ギリシャ危機の時には元気なドイツ、元気なメルケル首相が居て救済に回った。しかし今やそのドイツが欧州最大のリスクになっている。ギリシャ危機の当時はECB総裁で「何でもやる」と明言していたドラギ氏が、今やイタリアの政界に居る。

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上の画像はアテネの金買い取り店。
ギリシャ危機真っ只中のアテネでは、金買い取りチェーンが数少ない「成長産業」であった。
明日のパンとオリーブオイルを買うために、泣く泣く母の形見のゴールドネックレスを売りに来たギリシャ人女性の悲しい表情が忘れられない。これも「有事に金を売って凌ぐ」事例だ。

外為市場ではユーロ売りがドル買いを加速させて、ドルインデックスが108を突破する記録的ドル高。それが円安を加速させるという因果関係になっている。ドル金利も久しぶりに米10年債利回りが3%を突破する局面もあった。

ドル高、ドル金利高は金の売り材料。
欧州のインフレリスクは金の買い要因だが、金価格は1730~50ドルの相対的に低い水準で推移している。
但し、私は商い薄く、重要な9月FOMCを控える8月相場を信じていない。気配値程度に見ている。

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さて、まだ仙台育英の東北勢優勝の興奮が冷めやらぬが、福島の友人たちは聖光学院が準決勝で仙台育英に敗れたので、やや複雑な思い。
「白河の関を越えた」と騒がれるが「深紅の優勝旗が福島県を通過した」と言う感じかな。テレビでは白河神社まで紹介されていたのには笑った。白河には私がメンバーのゴルフコースもある。もう30年以上通っているので、勝手知った土地柄だ。

話は変わるが、私は今話題の「世界日報」の取材を受けたことがある。もう20年も前の話だが、広報を通じて取材が来た。「世界」日報って「どこか怪しげなネーミングだな」と思った記憶しか残っていない。まぁワールドゴールドカウンシルの中国語名称が「世界黄金協会」。これはめちゃ怪しいよね(笑)。中国語の名刺は持ち歩かなかった思い出がある。「世界」怪しい。「黄金」もっと怪しい(笑)。
世界黄金協会にリクルートされた時、母親に泣かれたものだ。息子が悪徳商法の会社に入ったと思い込んだようだった。

2022年