豊島逸夫の手帖

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1800ドル大台攻防中

2022年5月16日

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国際金価格は1800ドルを割り込みそうな展開。外為市場では円安一服。
特に大きな材料はない。市場全体でこれまでの売買の巻き返しが同時進行で起きている。その典型がビットコインであることを前回は記した。
株式市場ではいよいよ株価は大底かとの議論がかまびすしい。
金市場では引き続きインフレ懸念と利上げペースの綱引き状態。

当のパウエルFRB議長も迷っている。最新のラジオ出演ではパウエル氏のこれまでで最も自信なげで弱腰の語り口が目立った。
12日にはやっとパウエルFRB議長再任案が議会承認に漕ぎ着けた。
FRB臨時議長との暫定肩書も必要なくなった。
さすがのパウエル氏も安堵したのだろうか。
同日のラジオ出演で思いの丈を語った。市場では「これまでで最も自信なげな発言」とされている。

まず、市場内で最も疑問視されている「米国経済はソフトランディング(軟着陸)できるのか。不況を誘発せず強力な金融引き締め政策でインフレを鎮静化できるのか。」という争点に話題が振られた。
答えは「FRBが制御できない要因に依る」、「痛みを伴う」。
更に「もっと早く利上げすべきだったかもしれない」、「しかしその程度のタイミングの誤差がどれほど結果の差となっただろうか」。
懺悔と開き直りとも思えるコメントが続いた。
「夜眠れないことはあるか。執拗なインフレの長期化?不況を引き起こす可能性?」と問われた時には、「金融政策に挑戦的な経済環境」と述べている。
「0.75%利上げ案を議論のテーブルから外したのは何故」と聞かれた時には、「想定より良い展開となれば、対応も減る。想定より悪くなれば、もっとやる準備はできている。」と語った。
パウエル氏を取り巻く環境は厳しい。
かねてからパウエル氏批判の先鋒に立ってきたサマーズ元財務長官は「FRBは信頼を回復するために何故インフレを一過性と読み間違えたのか、分析レポートを出すべきだ。」と詰め寄っている。
ゴールドマン・サックスは金融引き締めによるリセッションの可能性を今後12か月で15%、今後24か月で35%と予測している。
戦後14回の不況期の中で11回は2年以内にリセッションとなっている。経済軟着陸への道は狭い(ナローパス)。」と記している。
議会で承認されたFRB新体制は発足後、いきなり正念場を迎えている。

かくして、金価格1800ドルはFRB議長の判断の迷いを映す現象と読めるのだ。

さて、今日の写真は秋田の親戚が送ってくれた採りたての山菜(写真左)。タラの芽(写真右)。こしあぶら。でかい。太い。スーパーで売っている小型サイズとは全く違う。東京では手に入らないホンモノ。

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新鮮な山菜はサッと天ぷらにして塩を少々まぶしいただくのが醍醐味。まずはタラの芽をガブリ。ボリューム感とサクサク感とタラの芽の香りがたまらない。私は飲まないが、この時ばかりはビールをグイッと飲みたくなるね(笑)。イタリアンの素材にもなる。
早速、秋田の親戚にアンコール!

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2022年