豊島逸夫の手帖

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米消費者物価上昇率2月7.9%

2022年3月11日

今週のメインイベントである米CPIが発表され、ほぼ事前想定どおり年率7.9%に。
織り込み済ゆえ金価格に大きな動きなし。2000ドル前後を行ったり来たり。高い価格水準での往来相場になったものだ。

さて、米国では物価が7.9%上昇なのに、依然来週15、16日(3月FOMC)まではゼロ金利継続。ということは現金を持っていると7%目減りするわけだ。金も金利を生まないから同様。金価格が7.9%上がってくれないと目減りすることになる。金価格が160ドルほど上昇して、初めて実質元本が維持できる。

しかし、今後はゼロ金利解除で利上げが続き、3年後くらいには2~2.5%程度になる見込み。一方物価上昇(インフレ率)は徐々に収まり、年率2~3%程度まで下がるというのがFRBパウエル議長の見立てと思われる。その結果現金や預金で保有しても価値が目減りすることはなくなる。これが所謂経済軟着陸(ソフトランディング)のシナリオ。もしそうなればインフレヘッジとして金を保有する緊急性も薄まる。

一方、FRBが利上げを続け、金利が4%近くになると、消費者物価上昇率も2%以下(日本並み)に下がるかもしれない。そうなれば国債とか社債で安定した利回りを得る方が良くなる。金利を生まない金は敬遠されよう。
対して、FRBがインフレを放置して、物価上昇が10%にでもなれば、財産の多くを金で保有する方が断然有利になる。

このような状況で筆者(そして多くの市場関係者)が心配しているのは、FRBが利上げしてインフレを抑え込むまではいいが、利上げが効き過ぎて不況になってしまうリスクだ。これが所謂スタグフレーション。仮にそうなれば金の独り勝ち。でも個人的には誰でも経済にそうなって欲しくはない。ただそうなった場合に備え、今のうちから金を少しずつ買い増してゆくことが賢明な策になるのだ。

これは米国の話だが、米国経済がクシャミすれば、日本経済は風邪か、下手すれば肺炎になるリスクがある。他人事ではない。長期的には日本もインフレになる可能性がある。

さて、今日の写真は夜の私の仕事場。木曜、金曜の夜になるとNY時間で米国プロゴルフが生中継される。そこで松山選手が活躍したりすると、相場どころではなくなる(笑)。 相場モニター画面とゴルフ中継画面の両睨み。

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ところが、昨日から始まった今週の米国男子プロゴルフは、準メジャー級のトーナメントなのだが、松山選手がなんと、なんと首と肩を痛め土壇場で欠場決定。数週間前からフルスイングできないくらいの状態だったからね。でも今年のマスターズも近づき、前年優勝者の松山選手は、出場して「チャンピオンディナー」のホスト役を務めねばならないしきたり。そのために鮨ディナーも準備中だ。名誉なことだし、ここは養生してマスターズ(4月)に備えるのが賢明だろう。

なお、今週は米女子ゴルフツアーもタイで開催されるので、昨日から日本時間昼の生中継で渋野選手画面と、これまた両睨み。通常は徹夜明けで昼寝の時間なのだが、ウクライナ情勢も日本時間昼に急変することが多いので目が離せない。このブログ執筆中に原発砲撃になったこともあった。今朝も米国が北朝鮮のミサイル開発に対して制裁措置発動とのニュースが飛び込んだ。
日本もいよいよ有事に巻き込まれることを覚悟せねば。

2022年