豊島逸夫の手帖

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ペロシ台湾訪問、有事の金は微動程度

2022年82

2日は終日ペロシ台湾訪問に揺れた。

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結局、NY金は1760ドルから1780ドルのレンジで推移。
円相場も132円から133円近辺で行ったり来たり。
振り返ると市場に最も強い不安感が醸成されたのは、ペロシ氏が「いよいよ台湾に向かった」との確認情報が流れる前段階であった。
それがいざ台湾着陸となると、北京の本格反応も読み切れず、資産価格の変動も震度3程度で、所謂「台湾有事」とはならなかった。

思うに、米中ともに共倒れだけは避けたいのが本音。今や台湾が世界で最も注目される国だが、台湾が戦闘状態になれば米中戦争にエスカレートするのは必至だ。それゆえ中国も軍事演習強化程度で「取りあえず」米国の次の一手を見守る姿勢のようだ。
台湾有事の長期化を連想させる。
それゆえ市場も明確かつ本格的反応は示さなかった。

繰り返すが、米中戦争は両国とも絶対に回避せねばならぬ。
両国の論調は厳しいが本格有事の可能性は低い。
偶発的衝突が最も懸念されるところか。

金市場に関しては下値を支える地政学的要因になった感がある。
円も台湾リスクで円高か円安か戸惑い感が強い。

2022年