豊島逸夫の手帖

  1. TOP
  2. 豊島逸夫の手帖
  3. バックナンバー
  4. 逆イールドと記録的ドル高の共振現象
Page3540

逆イールドと記録的ドル高の共振現象

2022年7月12日

米国市場では米景気減速か、本格不況入りか、市場内での議論がヒートアップしているが、FRBは断固として利上げとQTの合わせ技でインフレ退治を優先させる覚悟だ。対して欧州経済に関してはスタグフレーション懸念を払拭できず、ECBは容易には利上げに踏み切れない。そして日銀は断固として緩和継続の姿勢を明確にしている。結果的に外為市場ではユーロと円から米ドルにマネーの大移動が加速。ドルインデックスがほぼ20年ぶりに108の大台を突破した。110を上回り120まで視野に入ると、いよいよ歴史的ドル高となる。そのような連想が絵空事と切って捨てられない市場環境である。

米国債券市場では安全資産として米10年債が買われ、利回りは3%を割り込み2.97%まで下落。対して政策金利に連動する傾向が強い2年債の利回りは3%を突破して3.04%まで上昇。

米国不況の前触れとされる逆イールド現象が常態化しつつある。それでもユーロや円に比べれば、米ドルは「まだマシな」安全通貨とされる。円が低リスク通貨との「神話」は過去の話となった。

更に、金の市場でも安全資産としての需要より、超ドル高に反応する売りが勝り、国際金価格は年初来の安値を更新中だ。その結果、安全性を求めるマネーの避難先はほぼ米ドルに集中傾向が続きそうである。

3540a.png

とは言え、米国経済にも悲観的な投資家からは米ドルが通貨のキング(王様)と言われるが、裸の王様ではないか、俯瞰すれば「通貨の大空位時代」というような表現が市場には流れる。駆け込み寺が火事になる如きリスクを回避できず、行き場を失ったマネーが太平洋と大西洋の沿岸を回遊している。最終的に「通貨の悪さ比べ」ともなれば、やはりソブリンリスクからは独立した金が見直されると筆者は考える(最近大手町での流行り言葉を使えば、think!である)。

さて、大手町を遥かに離れた札幌での旨いモノ紀行。今日はスイーツ編。

まず、大丸の催事場で絶品の生黒ごまソフトクリームを発見。何と言うか、乳製品特有のクセもなく、シットリ感とごまの甘味が口の中に溢れる。とにかくセンスが良い。自称「ソフトクリーム評論家」(笑)として、これまでは京都駅八条口の改札そばにある濃い「ほうじ茶ソフト」がNo.1の評価だったが、昨日こちらを新たなNo.1と認定した。清田区が本店のK.L.I.M(クリム)。市内に4店舗あり。ソフトクリームを食して興奮のあまりアドレナリンが出るのも初体験であった(笑)。

3540b.jpg

3540c.jpg

そして、そして、私が「タイ焼きの聖地」と勝手に名付けた札幌駅エスタ内の「サザエ」。薄皮パリパリで上質の十勝小豆を使用。カウンターで出来立てを購入して、ビルの空いている階段の脇でヒッソリ、マスクを外し一気に黙食するスリル感も。首都圏にも出店しているのだが、やはり北の地のタイ焼きサンクチュアリにあるサザエは格別!

3540d.jpg

2022年