豊島逸夫の手帖

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株と金の関係

2022年6月3日

株価と金価格は逆相関というのが教科書的記述だ。
しかし、最近は株と金が同時に買われたり、売られたりすることが多い(正の相関)。

直近の事例では、米国経済指標が悪化すると株価も金価格も上がる傾向がある。景気減退で金が買われるのは当然のことだが、株が同時に買われるのはなぜか。景気後退の予兆が出るとFRBの利上げの回数が減る(タカ派に転じたとされるFRBがハト派になる)可能性が強まるからだ。不景気の経済の金融を引き締めれば、傷口に塩の如き痛みが生じる。それゆえバイデン大統領にしてもインフレは退治せねばならぬが、国民の痛みは最小限に留めて欲しいというのが本音だ。しかしFRBにはインフレ退治が最大の問題ゆえ「多少の痛みは我慢せよ」ということになる。

一方、適度の金融引き締めでインフレが鎮静化に向かい、過熱気味の経済も鎮静化して、熱過ぎず冷え過ぎず適温の経済となれば、株価は上がり、金は下がるであろう。

逆に、インフレと景気後退が同時進行するスタグフレーションともなれば、株は急落、金は急騰となろう。

さて、サイコロはどちらにでるか。丁か半か。9月くらいには明らかになろう。

2022年