豊島逸夫の手帖

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CPIショック、1%幅利上げで円140円も

2022年7月14日

6月の米消費者物価指数(CPI)の前年同月比の伸び率が9.1%と発表された時、筆者はNYのトレーダーと電話で話し込んでいたのだが、トレーディングルームに流れる諦めのため息が伝わってきた。覚悟はしていたが「やはり」との反応である。パウエルFRB議長も悲壮な覚悟であろう。マイナス成長が2四半期続く不況期入りは覚悟の上で「スタグフレーションだけは絶対に避けたい」と断固とした意向が透ける。金価格には追い風となると筆者は考える。個人的にスタグフレーションなど望まないが。CPI発表後、国際金価格は利上げ強化の可能性を嫌い、瞬間的に1700ドル攻防ラインまで急落したが、その後思い直したかのように急反騰。結局CPI発表前とほぼ同じ価格水準だ。国内金価格は依然円安進行次第。

既にアトランタ連銀のGDPNow(速報予測)は、7月に入るやマイナス1%以上の経済減速を示している。

FRBもインフレ退治を「無条件で」最優先課題と明言する以上、これまでの利上げペースのエスカレートを迫られよう。市場が見る7月FOMCでの利上げ幅予測も0.75%幅から1%幅に切り上がってきた。同9月利上げ幅予測は一回休み(pause)から0.75%幅までばらついていたが、0.75%幅が予測中央値として浮上してきた。7月と9月の2回のFOMCで1.75%もの利上げとなれば、まさに不況覚悟の劇薬投与と言える。FOMC参加者からは早くも声が上がっている。アトランタ連銀ボスティック総裁は今回のCPIについて「この数字は懸念される。点検の上で(1%幅の利上げについては)何でもあり得る。」と含みを持たせつつ言及した。

中間選挙を控えるバイデン大統領は「受け入れ難いインフレ亢進だが、ガソリン価格は下落している。」と苦しいコメントも発している。しかし金融政策の実効性発揮にはタイムラグがあるので、パウエル議長に託し、自らは座して結果を待つしかない。本音はせめて9月までにはインフレのピーク感を醸成したいところか。トランプ氏のほくそ笑みも想像に難くない。金価格には1%幅利上げとなると、これはキツイ。1700ドル攻防ラインから反騰しても短期的に1800ドルは遠くなる。

なお、米国債券市場では政策金利に連動傾向の強い2年債利回り水準が、今週初めの3.05%近傍から3.14%まで上昇。将来の景況感を示すとされる10年債利回りは3%を割り込み、2.97%近傍から2.93%まで続落。不況の前触れとされる逆イールド幅は拡大の一途だ。

株式市場では今回のCPIがピーク。家賃などの重要アイテムの価格水準は既に十分に上がったとの見解も根強い。

外為市場では日米金利差拡大でいよいよ140円が視野に入るものの、国際通貨投機筋の売りの標的は先行した円からユーロに移行しつつある。ドル・ユーロ等価はユーロ安潮流の中では通過点に過ぎないとの読みが目立つ。更に売りの標的は新興国通貨にも向いている。結果的には通貨投機の対象通貨が分散の方向ゆえ円安ペースは鈍化しそうだ。

なお、7月と9月のFOMCの間の8月25~27日に開催されるジャクソンホール中央銀行フォーラムでも舞台裏で様々な根回しが展開されそうだ。

さてさて、昨日の札幌レポート。
昼には新鮮な刺身盛り合わせ。塩水ウニ、つぶ貝、コリコリ・ぷりぷりのイカ。イワシも鮮度が高くて旨い。そして鮮やかな赤色のシマエビ。サッと湯に通していただく。これで「タダ!」。なぜなら今札幌割という旅行補助金を利用すると、宿泊が一泊につき一人3000円引き、おまけに一泊一人2000円相当のお買い物クーポン券が付く。飲食店でもコンビニでもタクシーでも指定業者のスティッカーがあれば使える。

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因みに、夕食は昨年発見したハンバーグ店。写真撮るのを忘れたが、駅構内のパセオウエストにある牛忠というお店だ。オーソドックスなハンバーグで気に入っている。但し札幌駅は新幹線の乗り入れで大掛かりな改修工事が始まっており、パセオも近々閉鎖されるらしい。

それから、昨日はYouTubeスタジオの下見をしてきた。

2022年