2022年3月17日
注目の3月FOMCは市場織り込みどおり7回利上げ。FRB資産圧縮は次回から。大きなサプライズはなく、FOMC警戒で下げていた国際金価格は1920ドルで下げ止まった。
今回のFOMCの実態を以下にまとめた。
中央銀行には「建設的曖昧さ=constructive ambiguity」という戦術がある。意図的に曖昧にする発言により難局を切り抜けるという意味だ。
例えば、今回のFOMCで年内利上げ7回が決定されたわけではない。FOMC参加者が予測する2022年末金利水準が0.25%刻みで7回分に相当するということだ。パウエル議長も述べているように金融政策の決定事ではない。
更に、パウエル議長は「全てのFOMC会合がライブである」と従来からの発言を繰り返した。データ次第、地政学的リスク次第で利上げの有無を会合ごとに決めてゆくという姿勢である。「ウクライナ情勢は不透明」とも述べている。最近のパウエル議長はnimble(機動的)に対応するという表現も好んで使う。
結局今回のFOMCで決まったのは0.25%利上げ1回ということだけだ。
また、セントルイス連銀ブラード総裁が0.5%利上げを主張して反対意見を述べたことも記されている。同じくタカ派のクリーブランド連銀メスター総裁とカンザスシティー連銀ジョージ総裁も、より強い引き締めを論じた可能性がある。例えばメスター総裁はFRB資産圧縮に関して、まずMBS(住宅担保債券)から減らし、FRBの保有債券ポートフォリオを国債主体にすべきと具体的に語っていた。
まとめ役のパウエル議長はFOMC内部のハト派とタカ派の調整役に回り、建設的曖昧さに徹した可能性もあろう。同氏は議会公聴会の前にも個々の議員たちとこまめに根回しをしたことが、質問側の議員たちからの発言からも確認された。「先日はご丁寧な説明に感謝します」などの謝辞がしばしば聞かれた。
この建設的曖昧さは市場の視点では執行猶予付きの引き締め発言と受け止められる。年内7回利上げとの「判決」だが情状酌量の余地も残す。
今後はFOMC会合ごとに利上げ有無が議論され、決定されることになりそうだ。その度に市場はやきもきすることになる。資産価格のボラティリティーは激しくなろう。
さて、昨晩の地震は東京でも凄かったね。私の個人的感覚では3.11の時と同じ揺れ。
仕事場の書類が雪崩を起こした。
第二の故郷、福島の友人たちに片っ端からLINEで生存確認。家の中がめちゃめちゃという人が多かった。怪我人がいなくて一安心。その後昨晩はFOMCに突入した次第。今朝は眠いよ~~。ゴルフ日和なのに、にっくきプーチン大統領がいつ何時動くやも知れず、平日ゴルフもままならぬ(怒)。