豊島逸夫の手帖

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バイデン大統領来日、円安問題はスルー

2022年5月23日

今回の米大統領来日に関して筆者の注目は、ドル高・円安問題について何らかの言及があるかということ。

結論から言えば、通貨問題は現在の日米関係で優先順位は低く、130円になっても日本が「通貨安政策」で批判されることもなく、議論の俎上にも上がる気配が感じられない。「それどころではない」という雰囲気だ。日本は未だに米国財務省の「為替監視国」リストに入っている。今回の急速な円安がトランプ時代に生じたらトランプ前大統領は黙っていなかったと思う。日銀が円買い市場介入する可能性は極めて低い。口先介入程度だ。仮に介入してもヘッジファンド対日銀のせめぎ合いはヘッジファンドに軍配が上がる。世界主要国が今利上げに動いている時、日銀は蚊帳の外。逆に円金利を抑え込む政策を実行中だ。このような経済市場環境の中で日銀は円安を放置するしかない。日本の消費者物価上昇率が久しぶりに2%を突破したが、これまで「物価が上がらない国」とレッテルを貼られてきたので、数か月物価上昇率2%突破が続いたところでそのレッテルは剝がれない。「有事の円買い」とか「リスクオフの円買い」もすっかり影を潜めた。

筆者が長期的に懸念するのは、ウォール街との会話の中で、最近「日本売り」が語られるようになったことだ。短期投機筋に加えて新たなドル円市場参入者が増えている。基本的には人口動態、つまり少子高齢化と依然無駄が多い日本企業の生産性の低さが「日本を見切る」背景にある。米国株が今や歴史的下落基調にあり、米国以外の株への分散を米国人投資家は模索しているのに、その対象として日本株の名前が出てこない。欧州株、中国株などが選択されている。

結局、バイデン大統領の訪日で円安に関する叙述がなければ、円売り攻勢の通貨投機筋を勢いづかせることになりかねない。

但し、通貨投機筋の標的が円売りからユーロ売り(ドルとユーロのパリティー=等価が視野)やポンド売りなどへ分散していることも事実だ。それゆえ円売りの勢いはこれまでよりペースダウンの可能性はある。

いずれにせよ円建て金価格の重要な要因である為替については円安トレンドの長期化に注目したい。
先週は円安一服で円高・NY金安が同時に生じる日もあったが、それは一過性である。

さて、話題はがらりと変わって「タイ焼き」(笑)。
日本中のタイ焼きを味わった自称「タイ焼き評論家」の私の一押しが、札幌の「サザエ」。札幌駅隣接のエスタ地下の食品街の出店が私のお気に入り。パリパリ薄皮とホンモノの十勝あずきが素晴らしい。

その出店がなんと渋谷地下街にあると知り、さっそく駆け付けたが、そこでは「デニッシュ風、白玉いりタイ焼き」とかで凝り過ぎ。私はエスタのあのオリジナルが食べたいのだ。しょうがないから大判焼きとオハギを買ったが、不完全燃焼であった(笑)。

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2022年