豊島逸夫の手帖

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KDDIの悪夢、対岸の火事にあらず

2022年7月5日

KDDIの大規模通信障害は、筆者にとって対岸の火事では済まされない事例だ。

個人事務所で、常にネット機材を5個も持ち歩き、常に充電を気にする「充電の奴隷」状態だ。スマホも重要な機材で、スマホなしでは筆者の情報のサプライチェーンが破断されるリスクがある。今後はスマホも2社2台持ちにしようか検討中。

ネット環境さえあれば、どこにいても仕事ができるということは便利だが、24時間お店を開けているようなものだ。そのネット環境に重大な支障が生じれば、筆者の仕事はストップしてしまう。

こんなエピソードがあった。NY出張時にウォール街の古いビル内のレストランで食事した際、ネット圏外となりウォール街のど真ん中で離れ小島状態に陥ってしまった。その出張を終えた帰国直後に越後湯沢でスキーしていたら、ネット環境抜群のスキー場なので、スマホ経由でNYから最新情報がバンバン入ってくる。リフトに乗りながら話していたら「大手町のトレーディングルームにいる私より速い。」と言われたものだ。

勿論ネット機材だけではだめだ。長年構築してきた人的ネットワークがあればこそ、黙っていても情報が流れてくる。

実は、筆者はウォール街に3名の奴隷を飼っている(笑)。
市場最前線の米国人若手衆で、彼らが手足となってくれるので助かっているわけだ。

奴隷ゆえNY出張時には旨いステーキなどを存分に食わせて「接待」もしておかねばならない(笑)。奴隷と言っても気心知れた後輩たちなので、筆者に奴隷扱いされても面白がってくれる。私がその一人の赤ちゃん時代のあられもない写真を持っているので、何か期待にそぐわぬ動きをすればネットにばら撒くと冗談で脅してみせる。

こういう中で得た情報こそ、生きた情報だ。終日エクセルシートと睨み合い、多少なりとも相関関係を見つけると、鬼の首を取ったみたいになるアナリストとは対照的だ。

なお、貴金属に関してはワールドゴールドカウンシルもワールドプラチナカウンシルも「国際機関」を名乗るが、実態は予算で動く「販促機関」ゆえ情報を鵜呑みにしてはいけない。筆者は基本的に統計数字の絶対値は眉唾で見て、相対的上げ下げを注視している。

2022年