豊島逸夫の手帖

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中世のキエフ公国とモスクワ公国がロシアの起源

2022年2月22日

私の高校時代にもお世話になった「山川、世界史」教科書を改めて読み直すと、ロシアとウクライナの歴史的関係が分かる。
東ヨーロッパに広がったスラヴ民族の中の東スラヴ族にキエフ公国が建設されたのが11世紀半ば。その当時モスクワ公国は地図(下図)の上に小さな地域を占めるのみだ(昨晩プーチン大統領が一方的に独立を承認した東ウクライナ地域や既に併合したクリミア半島は当時の地図ではキエフ公国の右側で白紙状態の地域になっている)。

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しかし13世紀にモンゴル人が侵入するや、約250年もの間キエフ公国はその支配に服することになる。ところが15世紀頃から商業の中心地モスクワのモスクワ大公国が強力となり、1480年イヴァン3世の下でモンゴル人から自立し、東北ロシアを統一した。彼は他の諸侯を抑えて強大な権力を握り、ビザンツ皇帝の後継者としてツァーリの称号を用いた。国内では勅令で全国の農民の移動の自由を奪い、農奴化を進めるなど専制君主の地位を固めた。こうして16世紀にはロシアが東ヨーロッパの大勢力となったのだ。

かくして歴史を辿るとクレムリンもロシア国民も現代ウクライナの国境線が変わることなど歴史で繰り返されたことと見ているのだろうか。

昨晩はNY市場が休場であったが、国際金価格はウクライナ情勢悪化を映し1900ドル台に戻した。当面ウクライナ情勢を睨み、1900ドルプラス・マイナス20ドル程度のレンジで推移しそうだ。

原油価格もブレントが97ドルと100ドルの大台寸前。
ダウ時間外で400ドル超急落。
円相場は114円台半ばまで円高進行。
10年ドル金利は1.9%台で下落。
引き続きマネーの安全資産への逃避現象が続く。

このような強いリスクオフの市場環境で、パウエルさんは本当に3月利上げに踏み切れるのか。ウクライナ戦闘突入ともなれば、原油価格もウクライナ産の小麦も値が上がり、インフレ率は高まるとの指摘もある。筆者は仮にウクライナ有事となれば、3月利上げは見送り、その代わり4月に0.5%利上げという線を考えている。さすがに株暴落の最中に利上げはできかねるだろう。

そうなれば金歴史的高騰は3月まで続くが、4月には反落というシナリオが視野に入る。基本的に利上げ回数はウクライナ情勢とインフレ率動向を見極めつつ決めることになろう。金利の影響は昨日の本欄で詳説したところだ。

と書いている内に「プーチン大統領、ウクライナ東部 独立承認地域に進軍許可」の報道で、国際金価格は1912ドルに急騰中(朝8時時点)。

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それから今朝の日経新聞朝刊グローバル市場面に「国内の金 最高値 円の実力低下背景に 資産防衛で需要」の記事あり。

2022年