豊島逸夫の手帖

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NY金、為替介入で漁夫の利

2022年10月24日

日本時間先週金曜日深夜のNY市場異変。
この詳細はその日の深夜に緊急配信したYouTubeライブで語った。
こういう突発的事態で、しかも週末という場合は臨機応変に語れるYouTubeが極めて有効だと確信。

2022/10/22 金曜NY市場異変。ドル金利急落。市場の実勢に乗り為替介入。

この為替介入で一時的にドル安に転じたのでNY金は急騰。1620ドルから1660ドルへ。依然底値圏だけどね。
まさに漁夫の利。但しドル高の潮流は未だ解消されない。

とは言え、急速な利上げに関して市場内でも異論が出始めている。債券王と言われるグンドラック氏が「米10年債と30年債の利回りがほぼ同水準になったことは、年内金利上昇ピークアウトの兆候」と予言した。カリスマだけに影響力は強い。介入がなくても、この警告でかなりの円売りドル買い投機家群が振り落とされた感はある。
中期的な視点(魚の目)では米国金融政策が変わるとは思えず。米国が利上げの副作用で不況に陥るのも2023年後半くらい。その時点で利下げへの転換を迫られることになろう。
NY金は2023年前半くらいから米国不況入りを織り込み始めて反発となりそう。そのタイミングまではあまりに不確定要素が多く特定できないね。

なお、中国では習近平3期入りが決まったが心配なのは人民元。いかに強権体制でも世界の経済趨勢まで変えることはできない。米国利上げの影響をもろに被り、安値を続ける人民元。必死に防衛に走る中国人民銀行。ロックダウンによる経済マイナス効果もいずれ習近平政権は償わねばならない。窮した全体主義国家が戦争に活路を見出そうとする傾向は、台湾有事となって現実化するリスクが強まる。2023年は真の意味での有事の金が問われそう。日本にも流れ弾が来るから考えたくはないが、そのケースでは2300ドル超の金買いがNY市場で起こる可能性はある。
日銀も中国人民銀行もFRBに振り回され、地政学的リスクが高まるシナリオには注意。要経過観察。

さて、今日の写真はイチジクとベリーのコンポートとミルクアイスのコラボ。上に細かくした栗をまぶした。

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らく山の大将も随分と洒落たデザートを作る術を覚えたな(笑)。
さすがにスイーツのセンスも抜群だよ~。コンポートが甘過ぎず上品に仕上がっている。

2022年