豊島逸夫の手帖

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2022年も、折り返し点に

2022年7月1日

早くも2022年前半戦終了、これから後半戦に挑む。

昨日はFRBが最も重要視するインフレ統計データが発表になった。
PCEインフレ率で年率4.7%(コア)。
月次で見ると、インフレも頭打ち気味でピークアウト説も流れるが、この程度の伸び率の鈍化ではパウエル氏は納得しない。強力な金融引き締めを続行する。

最近のパウエル語録では「インフレ率の下落がclear and convincing(明確で納得できる)水準まで継続しなければ、0.75%幅の利上げとQT(量的引き締め)を変えることはない。」と言う。

FRBの最終目標はインフレ率が年率2%で落ち着くことにある。
4.7%ではまだまだ道半ばと言えよう。明確に納得できる水準まで下落して、インフレ鎮静化の目途が付くのは最速でも9月。否、12月、否否、来年前半までずれ込むとの見解が目立つ。

金市場も株式市場も外為市場も債券市場も、総じてインフレ鎮静化の着地点が読めないので、動きが取れない状態のまま2022年後半戦に突入した。

未曽有のペースでの金融引き締めだが、手強いインフレに立ち向かう過程では不況入りも覚悟の姿勢だ。そもそもこの覚悟の姿勢が不況なのか、景気後退なのか。景気後退程度ならソフトランディング(軟着陸)に成功と言えよう。しかし金融政策は精密機械とは違うというパウエル発言のとおり、正確なランディング(着地)を成功させることは難しい。

国際金価格も不況(リセッション)入りなら、スタグフレーションのリスクもあり、買われる可能性が強い。しかし景気後退程度では1900から2000ドルまで買い上げられるほどの相場にはならない。昨日は1800ドルぎりぎりまで水準を切り下げた。
レンジの下限を試しに入っており、1800ドルには強い抵抗線がある。米10年債利回りが3%の大台を割り込む局面もあった。
市場の見解も1600ドルまで見込む弱気派と2000ドル再突破予測と交錯している。

円安はまだ継続の見方が多い。

いよいよ年後半戦だが、9月頃にならないと明確な方向感は出難いと感じている。9月に大相場の予感が漂う。

さて、今日の食い物の話はホイップバター。
ホイップ生クリームはケーキに使われ珍しくもないが、ホイップバターは珍しい。フォーシーズンズでパンと一緒に必ず出てくるホイップバターが秀逸なので、早速ネットで探して取り寄せてみたのだが全く違う。ホンモノのホイップバターはメレンゲのようにフンワリ仕上がっている。市販されていないか、今後もデパートなどで探すつもり。

2022年