豊島逸夫の手帖

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原油・金と日本株、先に下げ止まるのは?

2016年1月14日

金は底値圏から徐々にドル安に反応して上げ始めている。

次に、日本株と原油のどちらが先に下げ止まるだろうか?

結論からいうと日本株のほうが底打ちは早いと思う。

日本株は買いたいと思っている人たちが欧米市場では少なくない。

日本人投資家のほうが総弱気で、海外との温度差を感じている。

いっぽう、原油を逆張りで買い向かう勇気のある投資家は稀だ。買いが出るにしても、空売りの買戻しがせいぜいというところだ。

日本株については、しきりにヘッジファンドの売りが日本では語られるが、売りの主体は、超短期投機筋のCTA(コモディティー・トレーディング・アドバイザー)だ。同じヘッジファンドでも、世界経済の流れを見て売買するグローバル・マクロ系は、日本株買いに興味を示す傾向がある。原油低迷長期化を前提に、原油生産国として原油安で売られやすい米国の株式を嫌い、欧州株・日本株に注目しているのだ。「今の市場はリスク回避」といわれるが、いつまでもリスクから逃げてキャッシュを増やしてばかりでは、ファンドの存在意義を問われる。結局、欧州株や日本株などへのリスク分散運用を考えざるを得ない。特に、原油安の恩恵を受けやすい国として、原油輸入国日本の株式は、生産国米国と明らかにリスクのベクトルが異なるので、分散効果が期待できる。しかも、円高による国内エネルギー価格の下落は、消費には追い風となる。円安の功罪が問われたと同様に、円高も悪い話ばかりではあるまい。少なくとも、欧米の視点では、円高アレルギーのごとき拒否反応は、さほど強くない。ここにも、温度差を感じている。

足元では、欧州株のECB追加緩和期待による人気がまさる。しかし、4~6月期には日本株へマネーが回遊してくる兆しが見られる。

3000の大台を割り込んだ上海株の変動要因は今後も続くが、欧州経済も中国依存度は極めて高い。貿易関係・資本関係両面で、欧中は一蓮托生の様相だ。

いっぽう、原油市場は完全に投機筋により制圧された感がある。そもそもOPECが価格調整機能を放棄したことは、原油価格形成を投機筋に委ねたことになる。

その原油先物市場の新常態は、「下がったら、もっと売れ」。

旧常態は「下がったら、買い戻せ」であった。

なにせ、40ドル台の空売りポジションを持つファンドは、左団扇の心理的余裕がある。

勿論、空売りゆえ、いつかは買い戻す宿命にある。しかし、地震予報同様、xx年内に激震が来るといっても、いつになるか特定はできない。

やはり、軍配は原油と比べれば日本株にあがりそうだ。

さて、今日の写真は、ガーラから越後湯沢を眼下に食べたカツ丼!

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そして、帰りの新幹線に乗る前に食べたソフトクリームも心地よく疲れたカラダに沁みた~~~。車内では爆睡。慌てて降りたので、セーターを車内に置き忘れてしまった(笑)。それにしても、今年のガーラ、ガイジンの方が日本人より多い感じだね。食堂でも周りが皆、アジア系だったよ。

2016年