豊島逸夫の手帖

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英EU離脱、米英独仏「女性トップの時代」となるか

2016年7月8日


英国首相は、メイ氏とレッドソム氏の女性候補一騎打ちになった。
米国では、女性大統領候補クリントン氏が最有力視されている。トランプ氏は、変化を求める風潮に乗ったが、英EU離脱選択後の波乱を見せつけられ、米国の「俄かトランプ・ファン」たちも多少、我にかえった感がある。
更に、クリントン陣営の副大統領候補にエリザベス・ウォーレンというマサチューセッツ州上院議員の名前も挙がっている。ハーバード大学で消費者保護の法律を専門とする教授を務めた経歴を持つ。生粋の消費者運動家で、ヒラリー・クリントン候補に欠ける若者層からの支持が強い。トランプ候補に対しては得意の毒舌でこき下ろしている。


そして、米国の女性トップとして、イエレンFRB議長の存在も忘れてはならない。同氏がメディアに出るときは、議会証言、FOMC後の記者会見、講演などで、慎重かつ堅い言葉使いばかり聞くが、実はユーモアのセンスに溢れた女性でもある。今年4月にNYで開催されたフォーラムで、ボルカー、グリーンスパン、バーナンキと過去三代にわたる元FRB議長たちと公開対談したときのこと。
司会者が、FRBの出口戦略について話題をふった。「FRBは量的緩和で3兆ドルを超す債券を買い取りかかえたままだ。これをいずれ放出するときには金利急騰のおそれがあるが。」と問いかけたのだ。すかさす、バーナンキ氏は「幸運なことに、私が、それをやる必要はない。」とニヤッとしながら答えた。間髪いれず、イエレン氏は「彼が私に遺贈したのよ。」と返し、会場の笑いを誘ったものだ。更に、司会者が「そもそもFRBが昨年12月に利上げしたのは間違いではなかったのか。」と食いつくと、さすがに真顔で「私が当時明言したとおり、米国経済はゴールに向かってかなり進んでいる。今も、その考えに変わりはない。」と反論。その瞬間、グリーンスパン氏が、大きなくしゃみをした。グリーンスパン氏は、最近、米国経済にかなり悲観的で警鐘を鳴らしているので、果たして偶然だったのか。つい深読みもしたくなるようなタイミングだった。同氏が現職FRB議長だったら、市場は、彼のくしゃみ一つでも反応したかもしれない。それにつけても、イエレン氏は、損な役回りを引き受けたとの思いを、ジョークで表現したわけだ。


さて、女性トップに話題を戻そう。
欧州では、いうまでもなく、まずはメルケル独首相。
そして、来年5月に大統領選挙をむかえるフランスでも、女性候補の名前が挙がっている。反EUの極右政党「国民戦線」党首ルペン女史だ。現職オランド大統領の支持率が10%台前半と、歴代最低の水準で低迷するなか、ルペン氏の支持率は20%を上回る。更に、ラガルドIMF専務理事、元仏蔵相の名前も取りざたされている。かなり混戦模様だ。

なお、イタリアではローマ市長に女性が当選して話題になったばかり。
仮に、米英独仏各国トップが女性となれば、G7サミットの光景も、華やかになることだろう。


我が日本はといえば、可能性ゼロではないが、米国のように首相も日銀総裁も女性になるか、との切迫感はない。とはいえ、今の市場の閉塞感を打開するには、女性宰相登場に匹敵するほどのサプライズが必要なのかもしれない。

そして、貴金属市場は、女性の支持が強いプラチナがジワリ続騰。金との値差を徐々に縮めている。
といっても、まだ270ドルほどあるけどね。今晩の雇用統計で動きそう。足元では、やや、高値警戒モードに入っている。ここで調整売りが入らないと、相場の足元が固まらない。


昨日は、気温37度の岐阜で、しかも日中1時から3時の最も暑い時間帯に、セミナーをやった。熱中症の恐れもあり、出席者も減るだろうと思ったが、なんと出席率が100%を超えた。つまり、応募者より多い。どこかで聞きつけて、飛び入り参加だったのだろうね。それにしても、個人の経済に対する不安感の表れと見た。閉塞感が強いことの裏返しともいえよう。参院選投票前に、真面目に経済について考えたいとの思いかもしれない。参加者たちの食いつくような目線が印象的だった。
ちなみに、セミナー終了後のアンケート回答もほぼ100%。
事務局がビックリしていた。出席率は普通6割。7割になれば御の字。回収率は普通半分程度だからね。


そして、今日の旨い物写真。
私の大好物。京都の豆腐。


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まず、5種類のゴマ豆腐。色々な味噌であえた豆腐で、これが、チーズみたいな風味になるのだよ。
そして味噌田楽。


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生湯葉。


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暑いときには、こういうのがいいね~~。

2016年