豊島逸夫の手帖

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NY原油最前線は40ドル攻防へ

2016年3月14日

OPECが価格調整機能を実質放棄した時点で、原油価格形成の主導権を握ったNYの原油先物トレーダーたち。

しかし、さすがに30ドル以下の空売りには恐怖心をいだいていることを、本欄3月3日付け「原油先物市場、底入れ兆候の理由」で指摘した。その後、IEAなどからの「底入れ観測」が強まっている。価格水準も40ドル方向に近づいている。

では、今後の彼らの戦術はどうなのか。

総じて、ここまでの反騰は空売りの買戻し(ショート・カバー・ラリー)が主体。そこで、40ドルを回復したら、新規売りを再開する目論みが目立つ。ショート・カバーが一巡したところで、新規買いを増やす気配は殆ど感じられない。

彼らは、アナリストが提示する様々なシナリオを巧みに利用して囃す。要は、詳細な需給分析でも、結局「買い」か「売り」かの結論は引き出せず、シナリオAとBで終わっている。そこで、例えば、Aは買いの時の口実、Bは売りの時の口実と使い分けるのだ。

現在進行中の産油国歩み寄りの姿勢についても、短期的な価格上昇過程では、恰好の買い材料に仕立てあげる。しかし、ひとたび新規売り再開となれば、すかさず「イラン非協調の可能性」を強調する。シェールについても、買いのときは、シェール生産の窮状を語り、売りとなれば、シェール業界の技術革新による生産コスト減を話題とする。需要サイドでは、中国の金融緩和は買いの材料、中国の経済減速は売りの材料と使い分ける。

「アナリストは二本の手を持つが、我々トレーダーは一本の手しか持たない」。彼らがよく語ることだ。

A、Bと二本のシナリオを提示するが、価格上げか下げかは決められないアナリスト。対して、トレーダーは、売りか買いか、選択肢は一本しかない。

複合要因が絡み合いもつれれば、それだけ、トレーダーの存在感が強まっているのが今の原油市場の実相である。

更に、市場参加者から大手投資銀行が脱落したことにより、市場は売買の潤滑油役を失い、流動性低下を招いている。

そこで、スイス系商品専門商社の影響力が強まっている。グレンコアは、資源開発の上流まで手を伸ばし、失敗した。しかし、多くのスイス系商社は、川中での売買業務に徹している。彼らに情報開示義務はないが、実は出資者に中東系の存在が指摘されている。

筆者の知り合いのスイス系金融機関外為トレーダーがリクルートされ、商社のコモディティー・トレーダーとなっている事例もある。

先物市場はゼロサムゲームの世界だ。誰かが儲ければ、誰かが損をする。ただ、その短期売買によりレンジの抵抗線がブレークされると、そこに新たな相場が既成事実として形成されてしまう。このパワープレーが繰り返し市場のスクラムを崩し、100ドル以上の原油価格がここまで下がってきた。

市場は放置すれば暴れる。規制すれば、流動性が減り、価格の振幅が加速度的に大きくなる。

原油市場の不安定な構造が当面変わる兆しはない。

さて、ジムロジャーズが家族連れで来日中。

私は、札幌出張中なので、もっぱらネット経由でマネージャー役w

週末、貴金属店訪問セットアップだとか、日経本紙のインタビューのアレンジとか、殆ど、ボランティアだよ(笑)。

今日は、日経CNBCの昼エクスプレスに生出演。佐久間あすかキャスターがNYSEでジムと会っているので、今回も担当。


そして、今日の旨い物写真は、大手町ホテル・アマンのディナー。

あまだい(カリカリ鱗が絶品!)、


あまおうのデザート、


パスタ(なんだか忘れた)、


山形牛と色々山菜添え。


最近、仕事では、もっぱら、ここを使ってる。便利だし、33階からの景色は良いし、天井は高くてユッタリしてるし。但し、expensive。

2016年