豊島逸夫の手帖

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国際協力銀行が、経済制裁対象のロシア銀行へ融資

2016年10月24日

日本政府は北方領土問題があるから親ロ政策を採っているのでしょうが、それにしても、ウクライナ問題で西側諸国から経済制裁の対象になっているロシアの銀行に、日本の国際協力銀行が融資を実行するという報道には驚きました。

ときあたかも、EUの集まりに出席した英国メイ首相が「離脱問題」から関心をそらすために、シリア問題における、対ロシア強硬路線を唱えています。EU自体も、当然、ロシアには警戒体制。メルケル首相はロシア語が喋れるし、独ロ経済関係も密なので、ドイツは一定の距離感をおいていますが、それでも、プーチン大統領には気を許すわけにはゆきません。まして、米国は、オバマ大統領がプーチン大統領と、罵り合いに近いほど犬猿の仲。トランプ氏がプーチン大統領を友人と発言しただけで大問題になるほど。そんな中で、日本の首相は、親プーチンの姿勢を強めています。北方領土問題があるので、ロシアとの対話継続は必須ですが、欧米の経済制裁を明らかに無視するような融資は、かなり引っかかります。日本の民間銀行はさすがに遠慮していますが、国策銀行ゆえの動きでしょうか。ときあたかも、ドゥテルテ・フィリピン大統領が、米国との「離別」宣言で物議を醸しています。バランスオブパワーが米国一国に偏りすぎた反動という解釈も成り立つでしょう。大統領選直前の、米国政治空白期に起きたことゆえ、なにかと深読みされがちです。次期米大統領も、日本の北方領土問題と沖縄基地問題を視野に日米関係の微妙な潮目の変化に、どのように対応してゆくのか、注目です。

そして、中国。習近平中国国家主席は、今週、6中全会つまり中国共産党の重要会議で、力の支配構造を更に固めるようです。東シナ海問題でも、フィリピンを通じて太平洋に進出するキッカケを得たような趨勢。そこに、日米関係がぎくしゃくする兆候が出れば、それこそ、漁夫の利というものです。

今年も北海道では、いよいよ冬到来のニュースが流れる時期になり、日本を取り巻く世界情勢が大きく転回し始めたように感じています。

「有事の金」という言葉を私は好みませんが、日本人も、北朝鮮含め、国際関係緊張に巻き込まれる可能性を意識せざるを得なくなりそう。

そろそろ講演でも2017年を語る時期となり、私自身も地政学的テールリスクに敏感になっているのです。

そんなおり、裏磐梯の紅葉を見てゴルフをしてきました。磐梯山と安達太良山に囲まれた大自然のなかにあるボナリ高原ゴルフクラブのメンバーなのですが、丁度気温が急速に下がり始めて、紅葉に変わりつつあるタイミングだったので、緑から黄そして赤のグラデーションのような紅葉タペストリーが実にキレイでしたよ。このボナリという場所は、戊辰戦争の戦いの場として歴史に登場しますが、今は、ゴルフ場が、日経ゴルフ場人気ランキング、東日本一位になるほどです。

そして、帰京して、自宅でスキー板のチューニングを始めました。ガーラ湯沢スキー場のシーズンロッカーも申し込み済。人生のプライオリティーがスキーというほどなので、ワクワク感いっぱいです。

いまは、ウォール街でもガーラ湯沢でも、情報へのアクセスは変わりません。ウォール街のレストランがwifi不調で、情報の孤島を味わった翌週、ネット環境完備のガーラ湯沢のリフトで、NYヘッジファンドからの生情報がバンバン入ってきたとき、ネットの時代を実感したものです。いまや「どこで働く」かではなく、「ネット環境次第」なのですね。

そして今日の写真は、ボナリゴルフの紅葉と雄大な自然。




それから、JRの中吊り広告でみた「週末道民ふえてます。」というメッセージ。ふーむ、憧れだな~~週末道民か~~夏季道民もいいな~~。

2016年