豊島逸夫の手帖

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金の基礎的需給10年の変遷

2016年3月4日

この10年で、金需給がどう変わったか。表で比較してみた。

 2005

 2015

 ≪供給≫

 新産金

 2,561トン

 3,186トン

 リサイクル

 903トン

 1,092トン

 ≪需要≫

 宝飾・工業

 3,171トン

 2,785トン

 投資

 416トン

 878トン

 外貨準備

 663トン(売却)

 588トン(購入)

 金価格

 444ドル

 1,160ドル


こうしてみると、劇的に変わったのが外貨準備としての公的金保有だね。2005年には663トンの売却だったのに、2015年には588トンの購入になっている。その絶対差は1000トンを超えるのだ。年間生産量が3000トン前後の金市場にとって、1000トンという数字は需給の景色を変えるね。

その他では、宝飾が減り、投資が金ETFの登場などで増えている。

なお、以下に最新金公的保有ランキングを載せた。

     国名    重量(トン)     外貨準備資産に占める

                        金準備比率

 1.  米国    8133トン      72%

 2.  ドイツ    3381        66%

 3.  IMF     2814        -

 4.  イタリア  2451        64%

 5.  フランス  2435        60%

 6.  中国    1762         1%

 7.  ロシア   1392        13%

 8.  スイス   1040         6%

 9.  日本    765          2%

10. オランダ   612          54%

ここでは、6位中国と7位ロシアの躍進が目覚ましい。最近は、ほぼ毎月買っている。特に中国人民銀行の買いに注目。なにせ中国はいまやダントツ1位の金生産国だから、その一部を外貨準備勘定に移転しているのだ。


今日の写真は、もう咲き始めた桜。

2301.jpg

今年は、もう冬将軍は来ないらしいね。

このまま暖かい状態が続くとか。

2016年