豊島逸夫の手帖

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中国輸出25%減の衝撃

2016年3月9日

中国の最新輸出入データが発表され、輸出が25%も減少していたことが判明。

これは、はんぱな減り方ではないね。

おりしも全人代で目標経済成長率が6.5%~7%のレンジとされたばかり。

果たして、失業の痛みを伴う経済構造改革と、社会不安が起きない程度の安定成長が両立できるのか。二兎を追うものは一兎をも得ず、となりかねない。

ジョージソロスの中国ハードランディング説が再度市場で取り沙汰されている。

全人代では供給サイドの改革として減税、そして、イノベーション分野強化が打ち出された。この実現の過程では、ゾンビ企業の淘汰が必要となり、オールドエコノミーの会社に働く労働者の過渡的失業は必至だ。

その失業対策は諸々盛り込んであるのだが、肝心の職を失う労働者たちが、政府に対して黙っているだろうか。

金融政策の分野で、例えば、預金準備率引き下げにより、市中への通貨供給を増やすことで、痛み止め効果を狙っても、それは、根源的解決にはならない。寧ろ、供給されたマネーがゾンビ企業の救済に廻る可能性も強い。

輸出急減を回復するには、人民元安政策が最も効果的だが、同時に、人民元安は中国からのマネー流出を加速させる副作用があるので、大きなリスクを伴う。

結局、財政政策=リフレ政策頼みとなろう。

財政赤字の対GDP比目標が2.3%から3%に引き上げられたことは、財政政策発動の意志を明確に表している。

但し、財政出動で、ただでさえ中国国内で余っているモノが、もっとつくられるような結果になれば最悪だ。イノベーション分野にキッチリおカネが廻ってゆくか。魑魅魍魎とした中国社会では、分からない。最終的には党の意向により決まる国だ。

さて、プラチナ価格が200日移動平均線を突破したグラフを載せた。

2304.jpg


昨日は金・プラチナとも急騰の反動で下げ。

当然であろう。

コモディティー全般では、最近の買いの殆どが空売りの買戻し=ショートカバー。新規買いが出るか否か、がポイント。

仕事の面では、「マイナス金利ムック」まで出版されるそうな。どうも、マイナス金利という用語が人の心を不安にさせるのだろうね。

私の仕事量を分析すると、1.マイナス金利、2.中国経済、3.金・プラチナという感じかな。

今朝のあさチャン(TBS)は、昨晩TBSでビデオ収録までしたけど、巨人賭博事件で、アッサリ飛んだ(笑)。メディアの世界では、頻繁にあるちゃぶ台返し。

今日から、東京商工会議所、かんぽ財団、そして札幌と、また、連日のセミナー。

札幌はまだ寒そうだね。でも、好物のタチはもう終わりだな~~残念。

2016年