豊島逸夫の手帖

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愛なき円高、当局と投機筋の神経戦

2016年4月11日

東京市場でも107円台をつけた。

アジア時間帯でも、欧米から、頻繁にドル円のレート・チェックが入る。これほどまでに、世界的に円高が注目されるのも極めて珍しいことだ。

ただ、彼らが異常な円高を見守る目は冷ややかだ。

そもそも、70円台から120円台への大幅な円安の過程では、日本が「通貨安競争」の誹りを受けなかった。日本経済も円高デフレから脱却してもらわないと、世界経済にもマイナス要因となるからだ。しかし、結果至上主義の市場で、日本は「円高デフレ脱却」の結果を出せなかった。

そこで、失望感から、欧米投機筋は、円買いトレードに転じている。

今回の特徴は、円買いの仕掛けに見慣れない顔が目立つことだ。これまで円には無関心だったファンドまでが、円買い競争に参加してくる。裾野が広がった感がある。

従って、IMM通貨先物ポジションのデータ解析においても、過去の市況の法則があてはまらない。従来であれば、円買い過熱を示唆する水準にまで投機売買残高が達しても、新規参入で、更に残高が増えてゆく。

他のセクターは市場の方向性が出にくい中で、円高だけは、短期的に「読める」からであろう。

そこに、今回の円高の限界もある。

なにせ、円とか日本に愛着もない冷徹なプロたちだ。日本経済の先行きを信じて円を買っているわけではない。

ただ、円高の波にサーフィンのごとく乗って一儲けを目論む輩ばかりだ。

長期保有の意志はさらさらないのだから、いずれ、巻き戻しの円売りで手仕舞うは必至である。

原油市場でも同様の現象が生じたばかりだ。

原油を持っていない人たちが先物市場で売りまくり、26ドルという臨界点に達したところで、巻き戻しが始まった。26ドルから40ドルへの反騰幅は大きい。但し、40ドル台からは、新規売り再開の可能性を残す。

円も110円まで戻す局面は充分に考えられるが、110円台になると、新規円買い再開の可能性がある。

とはいえ、これは全て短期売買ゼロサムゲームの世界の話だ。

欧米では、中期的な相場動向はやはり主としてドル高を見ている。

中国経済・原油安にも一服感が出て来た。

今朝発表された中国CPI、PPIにもサプライズはなかった。

かりに、日銀が直接介入やるとすれば、政治的配慮を抜きに考えて、投機筋が円買いポジションをいざ手仕舞うタイミングが最も効果的と思われる。

当局と投機筋の神経戦にもつれこむと、後者にも弱みはある。さしずめ「ファンドの決算期」が、その際たる例であろう。

いっぽう、当局も、これまでの介入の常識が通用しないという弱みをかかえる。高速度取引が広まってから、日銀は介入した経験がない。

例えれば、日銀介入は大砲。高速度取引はコンピューターによる長時間の機関銃連射。

円相場の景色も劇的に変化している。

かくして、市場の関心は円高一色。

その間、ドル建て金価格は1250ドルを回復。プラチナも970ドル台。円建て価格は為替次第。

さて、食べるほうは、ひきつづきタケノコモード。

週末土曜日は、ABC朝日放送出演後、京都の祇園「らく山」で、おおぶりのタケノコ。

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日曜日は、洗足池マガーリで、ハタと京タケノコの紙包み焼き。

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どちらも絶品で大満足。

板さんとシェフのセンスが光る。熱の入れ方も抜群。

毎日でもタケノコは飽きないね~~。

京都では、ちょっと遅いけど、花見。まだ、満開のところは、だいぶ北にいった「原谷」。凄い人だったけど、様々な花が満開で、空を見上げる限りは花の競演だった。写真は、男二人旅で、園内のタタミのうえで昼寝(笑)。

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これが、気持ち良かった。なんせ、朝のテレビで「パナマ文書」を語るために、長文をほぼ徹夜で読んだので、とにかく眠かったから。。。

2016年