2016年6月10日
ヘッジファンド業界の今日の話題は、経済紙で報道された「ソロス氏の復帰」だった。
同氏は近年、慈善事業に専念。ソロス・ファンド・マネジメントの運用は後継者に任せていた。
しかし、ここにきて、自ら運用の世界に戻ってきたという。
キッカケは、中国・欧州経済リスクの顕在化。
特に、「EU崩壊」という強い表現で欧州リスクに警告を発している。
中国についても「資金逃避」を懸念。
そこで、手始めに彼が始めた運用は、金・金鉱株買い。これは既に、SEC(米国証券取引委員会)への四半期レポートで確認されている。
逃避マネーが金市場に流入するとの読みのようだ。
なお、英国のEU離脱を問う国民投票については、基本的に離脱の可能性は低いとしている。しかし、万が一、離脱賛成派勝利ともなれば、世界経済への影響は計り知れないと見ている。
NYのヘッジファンドの中でも、例えば、ドラッケンミラーという「伝説上のヘッジファンド」とされる人物が、ソロス氏と同じような考えをシンポジウムで公言している。
他のヘッジファンドにも、心理的影響を与えているようで、その方向性についての議論は、賛否両論で熱くなっている。