豊島逸夫の手帖

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身内の変心に揺れるイエレンFRB議長

2016年3月24日

「こんなはずではなかった。」

今週になって、4月に次の利上げも可、との意見が、複数の地区連銀総裁たちから、相次いで語られ、市場が当惑している。

3月FOMCで、今年の利上げ回数は2回、次の利上げは6月か9月、との印象を強くいだき、ドル売り(円買い)安心感を強めた矢先のこと。

23日には、ブラード・セントルイス連銀総裁が、外国通信社のテレビインタビューで、利上げ4月派に変心した経緯を説明した。

「利上げ環境が変わった。2月中旬から、インフレ期待が上昇してきたので、今は利上げに対して安心感がある。」

更に、ドット・チャートによるフォワード・ガイダンスを公然と批判。

「市場の不透明感を助長するものだ。自分だけは一方的に(ドット・チャート参加から)身を引きたいと思ったほど。」とイエレン批判ともとられかねない発言をした。今年、投票権を持つFOMC参加者ゆえ、市場には重く響く。

22日には、フィラデルフィア連銀ハーカー総裁も、「(利上げを)さっさとやるべきだと思う。私は年内利上げ2回派ではない。それ以上だ。」とNYでの債券ディーラーの集まりで語り、事実上のタカ派宣言をした。「FOMC参加者の間に経済政策スタンスに関するdisagreements(意見不一致)がある。」との言い回しも気になる。フィラデルフィア連銀といえば、昨年までのプロッサー総裁が、ダラス連銀フィッシャー総裁と並び「タカ派両巨匠」といわれたほど。その伝統を継承するかのごとき発言である。今年は、同氏とエスター・ジョージ・カンザスシティー連銀総裁の両名がタカ派の急先鋒となりそうだ。

そして、これまでハト派とタカ派の中間派と見られていた二人の変心も今週明らかになった。

まず、アトランタ連銀のロックハート総裁が21日の講演で「今の米国経済の勢いは、4月の利上げさえ正当化するかもしれない。」と述べた。健全なインフレに向けての指標改善が見られる。但し、賃金インフレに関しては、まだ加速の兆候は見えない、とも語っている。

同日に、サンフランシスコ連銀ウィリアムズ総裁も、メディア・インタビューで「私の期待どおりに経済データが続けば、4月か6月の利上げを支持する。」と語った。「3月FOMC時には、インフレ改善に私でさえ説得力を感じなかった。」とも述べ、最近の変心を示唆している。同氏は、イエレン議長側近とさえいわれる人物だ。

イエレン議長も、ここまで身内に変心が続くようであれば、無視できまい。

ちなみに、名物FEDウォッチャー、ヒルゼンラース氏が、公開されているイエレン議長の行動記録を精査したところ、FOMC参加者への根回しと見られる打ち合わせに割く時間が最も多かったという。

客観的にも、たしかにインフレ率は、2月コアCPIが年率2.3%に上昇するなど、改善の傾向が見られる。利上げをはばむリスクとされた中国経済も、構造問題は解決されないが、当面の緩和政策で上海株価も持ち直してきた。

新顔FOMCメンバー・ハーカー総裁の「サッサとやるべし。」という挑戦的発言などが、イエレン氏の背中を押すのか。

市場は、4月利上げのケースに備えた動きも見せ始めた。

金利のつかない金が、23日には1240ドル台から一時は1210ドル台にまで急落したことがその一例であろう。ベルギー連続テロによる有事の金買いも、FOMC参加者発言で吹っ飛んだ感がある。

プラチナも連れて大幅反落。960ドル台。

それでも、基本的には、打たれ強く、底堅い。

さて、今日の写真は、蕎麦と抹茶白玉あんみつの黄金コラボ(笑)。

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あんみつは蕎麦の後ですよね、と聞かれたから、いえ、同時に出してください、と頼んだ。周りの人たちが目を丸くしていたよ。あんみつと蕎麦が口の中でとけあい、なんとも美味(笑)。

そして、初めて食べた吉野家の朝食セット。

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徹夜明けの夜明けのコーヒーならぬ、吉牛ブレックファーストは、なんとも寒々した雰囲気だよ~~~。

2016年