豊島逸夫の手帖

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プラチナ 短期値下がり、長期値上り

2016年8月31日

今朝の日経朝刊商品面に「白金、2か月ぶり安値圏、南ア通貨安で増産予想」という記事が出ています。

「対ドルのランド相場はこの2週間で約8%下がった。南アの鉱山会社は白金の多くを輸出するため、自国通貨安は採算の向上につながる。」ときて、私のコメントとして「鉱山が生産を増やすとの観測が国際価格を押し下げた。」と引用されています。

それから、トムソンロイターGFMSのコメントとして「2年前のような大規模ストは、雇用維持を優先して、起きない。」が引用されています。

GFMSの見込みでは、主力の自動車触媒向けは欧州の環境規制を追い風に4%増えるが、宝飾用は中国のぜいたく品の消費鈍化で6%減るとの見立て。

以上が記事の内容ですが、私のプラチナ価格見通しは、短期軟調、長期強気です。南ア情勢は極めて不安定です。人種隔離政策アパルトヘイトが撤廃されても、かえって、社会不安が悪化しています。中長期的には鉱山ストライキ頻発が必至と思われます。更に、電力不足も構造的問題です。これらが、NYの投機筋が買いを囃す材料となり、プラチナ価格が来年にかけて、1200~1300ドルを試す局面が来ると見ます。そこが、売り抜け時でしょう。先物主導の上げは長続きしませんから。

今のような、短期的に売りの市場環境のときに、ジックリ仕込み、NYで急騰したときに、吹き値売り。これが、プラチナトレードでしょう。

なお、昨晩のNYでは、またフィッシャー副議長が、今度はブルームバーグTVに出て、利上げの可能性を語り、ドル急騰、円売りが進行して103円台になりました。金は売られ1310ドルを試す展開。プラチナも連れ安。

マーケット全体が、株も債券も外為も商品も、いよいよ利上げを織り込み始めた感じ。金は1280ドルくらいはあるでしょう。でも、そのときの為替は105円でしょうね。

2016年