豊島逸夫の手帖

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新Eメール発覚、市場の景色が一変

2016年10月31日

28日NY時間午後、FBI長官、突然の記者会見で、市場の景色が一変した。

大統領選11日前の時点で、クリントン氏の新たなEメールが発覚。中身はこれから精査する、捜査には時間がかかる、との発表は、全く想定外だった。株は急落、円と金は急騰。

おそらく、捜査中のまま、本選に突入することになりそうだ。

未決定層への衝撃も想像に難くない。トランプ氏の非常識発言にはうんざり。しかし、クリントン氏も感じ悪い、と迷っていた。そこに今回のFBI発表は、クリントン氏への不信感を強める可能性が強い。

それにしても、なぜ、このタイミングで、FBIは発表に踏み切ったのか。

7月に、FBI長官は、クリントン氏私用Eメール問題捜査を打ち切り、トランプ氏はFBIを批判。大統領選挙が「操作」されていると非難してきた。そこで、FBIとしても、疑わしきは、発表して捜査再開することで、降りかかる火の粉を振り払ったとも考えられる。

トランプ氏は、即、反応。壇上では、つとめて「大統領らしく」振る舞い、まくしたてることは避け、クリントン陣営を非難。注目されたのは、正統派の共和党リーダー格、ポール・ライアン氏も、強い表現でクリントン氏を攻撃したことだ。

皮肉なことに、両陣営とも珍しく足並みを揃え、FBIに事の全容を開示せよ、と迫っている。

市場は、あまりに突然の情勢の急変についてゆけていない。当惑している。クリントン氏勝利を織り込み済としてきたディーラーは狼狽している。

来週も、当該新Eメールの全貌が不明のまま、きわめて不透明な状況に置かれることになりそうだ。

結局、大統領選挙結果は蓋を開けてみないと分からない、ということになる可能性が強まる。

外為市場では105円台に乗せた途端に、唐突な円買い要因が、相場の頭を叩く展開になった。金には新たな買い要因である。

日銀政策決定会合までに、万が一、トランプ氏有利の新情報でも飛び出すと、海外要因として無視できまい。

昨日の日曜は、日経大阪本社で、日経Wアカデミー講演。日曜の北浜はガラーンとしているが、会場は100名の定員オーバー。事務局もビックリ。有料で普通は30~50名程度とのことだった。会場では、儲けたるで!というムンムン感が薄い。頭の体操しよう、脳みそを刺激しよう、という感じの参加者。実は、こういう人たちが、おとなしくて目立たないけど、サイレント・マジョリティーなのだと改めて実感したよ。だから、講師として話し甲斐もある。予定時間オーバーして、まだ話し足りなかった(笑)。

そして、土曜日は、日本シリーズでコーフンしたね~~。

広島緒方監督の采配が、ワンテンポ遅きに失したみたいな書き方されているけど、投資と同じで、ぶれないほうがいいのか、臨機応変に変えるほうがいいのか、結果論では、なんとでもいえるけどね。本当のところは分からないよ。

個人的には第7戦で、黒田選手対大谷選手の投げ合いを見たかった(笑)。

日本シリーズ直前に札幌広島両方に仕事に行った身としては、おめでとう、と、残念、おつかれさま、を言いたいね。おかげさまで、充分楽しませてもらいました。おおきに。

2016年