2016年6月30日
「英EU離脱交渉、9月以降に先送り、ということは、9月利上げ益々遠のく、ということは、この夏はドル安円高が更に進む。単独介入しても、世界のマネーのリスク回避円買いの流れは止められない。介入も追加緩和も、可能性が語られるとき、市場への影響が最大になる。しかし、切り札を切ったら、マーケットは出尽くしと読む。」
NYの高速度取引トレーダーのコメントだ。
市場は相変わらずガイジンプレーヤーに翻弄されているので、気になるシナリオである。
たしかに、米9月利上げ説はほぼ消えた。既に確率ゼロ近くと見られていたが、英EU離脱交渉先送りにより、ダメ押しされた展開になっている。「利上げ先送りは織り込み済みでは。」と反論しても、「それは主観。」と一蹴。この夏は、休暇で取引が薄い中、ドル安円高の仕掛けが波乱要因として要注意だ。
24日の東京外為市場で瞬間的に99円をつけたのは、高速度取引が誘発する荒れた夏相場の予告編にも見える。
市場の最大の注目は引き続き英EU離脱となろう。
交渉を前に、EU内部の亀裂、特に独仏の離脱交渉への考え方の違いが顕在化すると、市場を動かす要因となりそうだ。
EU全体としては、「離脱ドミノ」を防ぐため、即交渉を開始したい。遅れれば、各国内で英に続き国民投票を求める声が強まる。
特に、フランス国内では、労働者たちの反EU運動の機運が高まり、ストライキが続出。清掃業者のストでパリの街角にゴミが溢れ、異臭をはなつという光景も見られた。その他、トラック運転手、空港労働者などにも反EUストが拡大して、警察と衝突。路上で炎上騒動にまで発展した。オランド大統領の支持率は10%前後と仏大統領として過去最低記録を更新中だ。その最大の要因が、EUが求める雇用規制緩和である。解雇しやすく、退職金は減額。労働力の流動化を目指す構造改革だ。これが、労働者には、「EUから押し付けられた規制緩和で、オランド大統領も、EU側に加担している。」と映る。背景として依然10%を超える高失業率が指摘される。しかし、オランド氏は、「EUの結束」を内外に訴える。イギリスとの交渉もすみやかに始めるべきと強調する。
いっぽう、ドイツ国内での反EU機運は、フランスに比し、薄い。EUの経済的恩恵を最も強く受けてきた国である。従って、メルケル首相にも、離脱交渉は時間をかけ、英国との経済関係も重視しつつ、妥協点を探りたい、との思いが透ける。
EUを支える独仏の、この温度差が、今後の発言などで露わになると、市場ではEUリスクが再び意識されることになる。EU分裂の可能性などが見出しで流れると、リスク回避基調が再び強まり、円は買われやすい地合いとなる。
夏季休暇で流動性が薄い市場では、24日の99円のごとく、瞬間的に大きく振れる可能性がある。基調は膠着状態なれど、時折、大きく乱高下するので、心電図のごとき相場グラフとなりやすい。
これが、何回か繰り返されるうちに、徐々に心理的節目である100円への抵抗感が薄れるかもしれない。ひとたび、抵抗線がブレークされると、堤の穴から崩れるごとく、ほぼ垂直に相場が動く。
このような相場つきになると、介入も、もぐら叩きを強いられる。いつ来るとも知れぬ瞬間的乱高下に常に身構え、対応にも瞬発力が求められる。民間の投機的高速度売買のインパクトが、瞬間風速では、官の介入規模を凌ぐかもしれない。
英EU離脱交渉が、ペンディングでぶら下がったまま、市場にジワリと不安心理を醸成する状況が続きそうだ。
貴金属市場ではプラチナが反発。再び1000ドル乗せ。
下げ過ぎだったからね。超割安感があった。
昨晩も、貴金属についての取材を受けたのだけど、短期売買で儲けるという発想が記者に沁み付いている。
儲けるものじゃない、貯めるものだ、といっても、それでは、とんがった記事にならないのだね。
読者の人たちは、そういう報道には惑わされず、"地道に"一筋。
今日の写真は、メルケル・オランドの仮面夫婦ぶり。
そして、今が旬のサクランボ。
左から、福島の友人が送ってくれた、採りたて。福島市にはフルーツ街道があります。果物の宝庫。
真ん中は、例年、米国から送られてくるサクランボ。でかい!
でも大味ではない。
そして、右が桐の箱入り1万円で伊勢丹で売られているサクランボ。
やっぱり、一味違う。。と思う。。(目隠しテストされると自信ないかな 笑。)