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マイナス金利の余波で公募価格割れ郵政関連株

2016年2月19日

昨年、郵政上場騒ぎの時、日経マネーのコラムに書いた原稿↓そして、今、公募価格割り込んだ。さて、フェイスブックと同じ道を辿るのか、あるいは、下がったままなのか。注目。

以下筆者原稿引用

フェイスブック決算が絶好調だ。

7~9月期の一株当たり収益は事前予想の52セントを大きく上回る57セント。

月次のアクティブ・ユーザー数は前年比14%増の15億5千万人。そのうちのモバイルのアクティブ・ユーザー数は13億9千万人に達した。

日次のアクティブ・ユーザー数は17%増の10億1千万人。うちモバイルが約9億人。

売上の大黒柱である広告収入は、前年比45%増の43億ドル。モバイル広告のシェアが前年の66%から、78%に急増している。

シェリル・サンドバーグCOOも、「わが社のモバイル広告ラインアップは、市場でベスト。」と胸を張った。

特に、インスタグラムの月次アクティブユーザーが4億人を超え、そこからの広告収入には「非常に満足している」と語っている。

ザッカーバーグCEOは「動画閲覧数が一日約80億回」となったことを強調した。

新規事業開発分野では、AI(人工知能)で、Q&A形式により、目の不自由なユーザーでも画像を「見る」ことが出来る新機能テスト中と発表されている。

いっぽう、コストの増加は売上を上回り、68%増の30億ドルに達した。社員数も1000名増やし、1万2000人。これは前年同期比44%増。

また、グループ全体の収益の半分以上を占める北米のユーザー数が2億1700万人と、増加ペースが2%以下に鈍化している。

デスクトップPCからの広告収入は8%減となっている。

7~9月決算発表後から株価は急騰。アナリスト目標株価も相次いで引き上げられた。

主要各社の目標株価とコメントは以下の通り。

・ドイッチェバンク  125ドル

2016年8%の収益増、一株当たり利益12%増を見込む。FBは、トップ・ピック(トップクラスのお奨め)だ。

・ゴールドマンサックス  125ドル

好調な業績のモメンタムは10~12月期も加速。特にインスタグラムの世界的拡大が始まったばかりで、クリスマスシーズンを迎え、広告収入の増加ペースも速まろう。懸念材料であった2016年の経費増加予測も、「オキュラス買収効果実現には時間を要するものの、長期的にコミットしており、発売初年度2016年から数十万個の販売が見込まれる。」との決算報告でのコメントにより、収まったと見る。(筆者注、2014年3月に、仮想現実(VR)ヘッドセットを手掛けるオキュラス社を20億ドルで買収)。今後12か月の目標株価を、110ドルから125ドルへ引き上げ。

・クレディースイス  135ドル

オキュラスが2016年には低く見積もっても21億ドルの収益貢献と予測。ヘッドセットのハードウエアを廉売して、ソフトで稼ぐビジネスモデルとなろう。インスタグラムの収益貢献度も本格化。

・バークレーズ  140ドル

広告収入増加ペースが、過去2四半期平均55%から57%に増加したことは事前予想を上回る。

・ウェルズファーゴ  135~140ドル

今や、FBが提供する様々なプラットフォームに参加することが、マーケティング界では「マスト=must」になった。SNSモバイル広告への資金流入では、FBが最大の恩恵を受けている。

米国の投資アドバイザーたちのコメントを聞くと、「フェイスブック、アマゾン、グーグル」の「三兄弟」をバスケットでポートフォリオに組み込むという意見が目立つ。

それにしても、振り返ってみれば、3年半前の新規上場時公開価格は38ドルだった。それまでは投資とは無縁だった人たちが身近なフェイスブックの上場ということで、初めて株を買った。

郵便局という身近な存在の株に引き寄せられた「それまでは投資とは無縁だった人たち」との相似点を感じる。

ただ、4億2100万株という最大級のフェイスブックIPOは、初日から、取引所のシステムをダウンさせてしまった。顧客からは「売買の注文がとれない」などの苦情が殺到。大混乱の中で、IPO引き受け会社主幹事モルガン・スタンレー・スミス・バーニーは、公開価格38ドルを死守するため、初日大引け間際の投資家からの売り注文を「全買い」で死守せねばならなかった。

その後、株価は20ドル台にまで低迷。いっぽう、IPO幹事団は手数料として1億ドルほど得たとの報道が流れ、初めて株を買った人たちにとっては、後味悪い新規公開劇となった。

上場初日、システムダウンで買いそびれた人たちにとっては、結果オーライとなったのだから、皮肉なものだ。

しかし、2013年後半から、FB株価は一転上昇を開始。現在は100ドル以上と、約4倍跳ね上がっている。

新規公開株の「お祭り騒ぎ」が中締めとなり、宴の後で真価が明らかになるまで、少なくとも1年、あるいは2年近くかかる。

この事例は、郵政三社上場で株式市場にデビューした「にわか株式投資家」にとっても、抽選にもれて買えなかったが郵政IPOパーティーには参加したいと目論む人たちにとっても、教訓となる。

最後に、今回の郵政親子上場に関しては、公開価格を低く設定しすぎたとの批判も顕在化しそうだ。国民の税金が投入されてきた郵政関連事業の一部を、「バーゲン価格」で叩き売ったことの是非が問われよう。

引用終わり

週末は「親子で資産運用を考えるセミナー」(静岡新聞SBS主催)を静岡でやるのだけど、マイナス金利のことを、やさしく説明するのは難しいね~~。

2016年