2016年8月16日
円相場が100円の大台攻防局面入りの様相だ。
直接のキッカケは12日金曜日に米商務省が発表した米小売売上高が事前予測の0.4%程度増加を下回り、横ばいだったこと。
時系列的に見ると、4~6月期の米GDPが年率換算1.2%と予想を大きく下回ったが、7月米雇用統計は、ほぼ満点ともいえる良い数字が並び、米経済マクロ指標は強弱拮抗。利上げ観測も揺れていた。
この微妙なバランスを崩したのが、米小売統計だったといえよう。
悲観論が勢力を得て、利上げ時期先送りのハト派的観測が再び台頭。それに呼応する形で、ドルが売られ、円が買われた。
未だ、夏季休暇の薄商いという状況で、投機筋は、ポンド売りに専心しているので、本格的円高の流れとはいいかねる。
とはいえ、どのような状況にせよ、事実として99円台となれば、相場にはズシリと響く。足元のポンド売りが一巡すれば、次の標的として円が買われやすい。
本欄で想定した成り行きで、円高のモメンタムはまだ収まらない。95円ターゲットに変わりなし。
ドル安ゆえ、金価格は徐々に再上昇中だ。