豊島逸夫の手帖

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気になるイエレン氏・ドラギ氏の「仙台密談」続編

2016年6月8日


5月25日付け首題の原稿を読んだ仙台の読者から、興味深いエピソードが寄せられたので紹介したい。警備関連に直接携わった方で、ご本人の了解も得て以下、採録する。


仙台会合は5月21日(土)で閉幕し、麻生大臣を始め主だった方々はその日のうちに仙台を離れたのですが、数名の方々は主会場となった温泉旅館にそのまま後泊されました。
そのなかに、ルー財務長官とイエレン議長もいらっしゃいまして、お二人で食事に出られました。と言っても、秋保温泉は、温泉街としては規模は小さなものですから、主に地元の方々が行く10名入れば満員、というお寿司屋さんくらいしかお店がありませんでした。

実は、会議に先立って準備のために訪れていたシークレットサービスがランチを食べていたお店で、既に彼らは目をつけていたようです。警備の都合上、仙台のダウンタウンに出てくることもできず、そのお寿司屋さんになったとのこと。

そのお店では、シークレットサービスや随行も全部外に出され、お寿司の注文要員としてだけ米国大使館の日本人職員がついたとのこと(宗教上の禁忌品などもあり)。
お二人で、カウンターではなく、(足の下せない)座敷で、じっくりとお寿司をつまみながら話し込んだとのことでした。


以上


折から、イエレン講演が市場を揺らせているが、仙台でのドラギ氏との「密談」といい、ルー財務長官との「鮨会食」といい、イエレン氏は「根回しの人」であることがうかがえる。利上げ時期についてFOMC参加者にも、様々な意見があろう。その最大公約数を引き出すために、このような一対一の話し合いの場を持つのだと思う。
それにしても、イエレンさんは大した女性だね。彼女の一言が円相場を何円も動かすのだから。

2016年