2016年3月25日
ブリュッセルの人口の1/4はイスラム系。そのなかでイスラム系若者たちの多くがISをヒーロー扱いしている。そのような環境だからこそ、アブデスラム容疑者は、パリ・テロ後、4か月もブリュッセルにとどまり見つかることはなかった。その背景には、かなりの組織的サポートが存在すると見られる。ベルギー警察は、そのイスラム系ネットワークに入り込み、情報を得る作業を怠っていたことになる。
ただし、ベルギー政府も、ブリュッセル市内にあるサウジアラビア系モスクで、過激な説教が行われていると、サウジ大使を呼び批判していたという。この宗教施設は穏健なのだが、訪問してくるイスラム教徒たちのなかに過激派が混じっていた。
そもそもベルギーにイスラム系人口が増えたのは、1967年サウジアラビアと締結した天然ガス供給契約にさかのぼる。その見返りとして、サウジは市内の施設をモスクに建て替えたのだ。
更にさかのぼると、フランスが1950~60年代に北アフリカの植民地支配から手を引くと、フランス在住の北アフリカ系イスラム教徒たちが、大挙してベルギーに居を移した。ベルギーとしても安価な労働力として歓迎したのだが、文化的摩擦が醸成されテロ化するとは思い至らなかったのであろう。
基本的に、ベルギーの外国人移民たちへの姿勢は「自由放任」だった。イスラム系の人たちに「ベルギー人になれ」とは強制しなかったわけだ。これが裏目に出たともいえる。
ベルギー同時テロは、各国でイスラム系の人たちを「監視」するべきか、などの議論を呼んでいる。人道的に差別的行為は絶対許されないが、イスラム系にテロリストが多いことも事実だ。警察がテロ捜査する際に、確率的にイスラム居住区を捜査することは、仕方のないことだとも思う。宗教の自由と、テロ対策と、どちらを優先させるか。殆どのイスラム系の人たちは穏健だけに、問題は重い。
日本にとっても他人事ではないので、この問題に対する関心は極めて高い。日経電子版でも、この関連原稿は、アクセス1位になったほど。
最近は、私のセミナーでも、私を「金の専門家」として見る人たちと、日経電子版を通じて「経済の専門家」として見る人たちと、完全に二分化している。
金・プラチナを語るセミナーであれば、タイトルに貴金属などの単語が使われる。いっぽう、一般経済セミナーであれば、中国経済・マイナス金利・米金融政策などの文言が並ぶ。喋る私も、はっきり、区別しているから、どっちに来るかは、参加者の選択となる。両方やるのは、時間的に長すぎて無理。
そして、今日から海外はイースター休暇にはいるので市場はクローズになる。
その間に、いよいよ花見の季節♪
我が家の桜も、色づいて、膨らんできた。
急に寒くなったから、フライングで開花した桜は、気温の差にビックリしていることでしょう(笑)。