豊島逸夫の手帖

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ロンドンからレポート

2016年12月1日

英国EU離脱賛成派(Change Britain)訪問。まずは、正式に離婚が成立するまでの数年間の移行期について尋ねたが、要は暗中模索。今日のロンドンのヒースロー近くの地区選挙で、離脱派の議員が敗れた。前回、同議員は、圧勝だった。EU離脱交渉を控えるメイ首相には打撃。

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次に、英国EU離脱反対派(Open Britain)訪問。EU単一市場アクセスを失えば英国経済危機。日系大手自動車会社がメイ首相と「密約」で特別扱いされ、英国に留まる決断をしたのか、との問題には不快感表明。もし、それが事実とすれば、そのコストは誰が払うのか。前例を作るべきではないと。


そして、注目、イタリア選挙。欧州市場は、現首相敗北辞任を織り込み。来週月曜に東京市場が混乱する事態の可能性は低い。実務家内閣が中継ぎ。総選挙へ。長期的には、離脱ドミノの可能性のリスクは高まる。イタリア銀行群の信用不安は懸念される。ECBやESM(
欧州安定メカニズム)で救済できる規模を超える。


そして、ロンドンで原油高を論じていたら、こういう意見も根強い。大企業が談合したら罰せられる。産油国が談合しても罰せられない。その結果、ガソリンスタンドでは値上げ。イランは原油で儲けたカネをシリアなどのシーア派系過激派に流し、サウジは国民に大盤振る舞い。かなりホットなディベートになったよ。

いっぽう、欧州を徘徊していると、やっぱり、シリア危機、移民のニュースの扱いが圧倒的に目立つね。国会答弁するメイ英首相。凛として格好いいね。シルバーヘアのスタイルで決めて。仕事柄イエレンさんばかり見てきてスイマセン(^^) 

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プラチナについても、話したが、短期波乱、長期強気の結論で一致。なんといっても、新規にプラチナ開発増産計画があがってこない。供給はいずれ減少へ。

 

2016年