豊島逸夫の手帖

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原油先物市場、底入れ兆候の理由

2016年3月3日

今日は原稿2本!

NY原油先物市場で、市場参加者が総悲観になったところで、反転した。26ドルまで下がったが、34ドルまで戻している。空売り投機家たちの焦りがフロアーから感じ取られるようになった。

2月26日付け本欄「G20中国より原油で動く市場」で、フロアートレーダーたちの「uncomfortable(気持ち悪い)」との声を紹介した。1バレル30ドル以下の空売りは怖い、との場の雰囲気だ。

相場格言で「空売りの損失リスクは青天井」といわれる。買いの場合は値が下がる場合の下限はゼロだが、値が上がる場合の上限はない。

現状の原油価格に上限はないと言っても、切迫感はない。しかし、原油を保有していないのに、期日には売りの約束をしてしまった「空売り」筋にとって、価格上昇を示唆するニュースは「気持ち悪い」。筆者も、空売りは「心臓に良くない」と感じたものだ。

メディアからコメントを求められれば、ポーカーフェイスを装い、徹底した「先安見通し」を語った。しかし、本音は買戻しのキッカケを模索していた。早くこの不安心理から抜け出したいと本能的に思うものだ。

足元では、産油国が生産量凍結をめざし歩み寄りの気配を見せている。誰もが、懐疑的に見ているが、空売り投機筋には「ヒョッとしたら」との疑念がとりつく。

しかも、ファンドの決算期は5月が多い。相次ぐ解約を止めるためには、なんとしても運用実績で結果を出さねばならない。

株のポジションが不安定なので、40~50ドルで先売りした原油ポジションはお宝だ。まず買い手仕舞って利益を確定させたいとの心理が働く。

1日には、NY株高が原油買いを誘発する局面も見られた。使える後講釈は総動員態勢の様相だ。

但し、仮に40ドル台に戻せば、そこから新規売りをかける意欲充分でもある。

買うときは、サウジ・ロシアの歩み寄りをはやし、売るときは、イラン・イラクの協調凍結不参加の可能性を語る。

相場観として、20ドル後半は安すぎる。40ドル前半は高すぎる。このレンジが、おぼろげながら、浮かび上がってきた。

これまでは暗中模索であった原油相場の濃霧に、薄日がさして、現在の相場の立ち位置が視野に入ってきた感じだ。

次に2本目。

トランプ氏、コマツを名指し円安批判

スーパーチューズデーが終わり、クリントン対トランプ対決の様相が強まった。

トランプ氏勝利演説の司会は、先日までのライバル共和党候補で今やトランプ支持にまわったクリスティー氏。演説の中では、今日も、日本批判を繰り返した。「日本の円安誘導で、友人は値が高いキャタピラーを買わず、コマツ製を選んだ。これは許されるべきではない。」

危機感をいだく共和党幹部は「トランプ氏による共和党敵対的買収」を語り、「アンチ・トランプ基金」設立の動きも出ている。しかし、白人男性中心の共和党員一般市民層は、トランプ氏に票を投じる。この共和党分裂現象が、クリントン氏には追い風となる。

クリントン氏は、2008年大統領選挙でオバマ氏に持ってゆかれた黒人票を今回は完全に掌中におさめた。

勝利演説では、サンダースを称える余裕で、明確にトランプ氏を標的に据えている。

このまま行くと、サンダース氏がどこまでもつか。結果的に、サンダース・ブームのモメンタムが、クリントン氏を左寄りに傾けたという結果となりそうだ。

サンダース氏支持白人票をクリントン氏が掴めるか、トランプ氏に流れるかも注目点となる。

米国市場は、クリントン氏有利と見て、スーパーチューズデーの結果は歓迎の姿勢である。株式市場にはフレンドリー(友好的)成り行きと見られている。リスクオフの円高も小休止の様相だ。

そして、今日の写真は、講演した高松から送られてきた、讃岐うどんセット。カレー煮込み。。。。なんか惹かれるな~~。

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それから、うちに咲いた椿と梅。

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春だね~~~仕事なんかしてる場合ではないね~~(笑)。

スキー場は雪解けが進み、ベチャ雪に。重い雪は疲れるのだよ。雪崩も起きやすいし。でも、暖かいからスキー後に汗を風呂で流すと気持ち良いね。暖冬の今シーズンはゴルフの季節到来が早い。でも、週末は名古屋で親子セミナー。気温20度超えそう。

2016年