豊島逸夫の手帖

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考え過ぎる日本人

2016年9月6日

日本人投資家の最大の特徴は、考え過ぎることでしょう。あれやこれや、深く考えれば考えるほど、決められなくなって、結局、なにもせずに終わる。だから、日本の市場が外国人投資家によって支配されているのだと思います。情報を出すアナリストのほうも、殊更に話を難しくする傾向があります。やさしく語ったのでは、自分の知識レベルが低く見られてプライドが許さないかのようです。でも、実は、やさしく語るためには、完全に理解していなくてはならないので、一番難しいことなのですよ。私なども、プロ相手のセミナーが一番楽です。やさしく説明する必要がないから。逆に、初心者向けセミナーは一番疲れます。つい、自分では当たり前と思っていることを、説明せずに次に行ったりしますからね~~。でも、初心者は一か所が分からずにつまずくと、話の流れに乗り損ない、それ以上思考が進まなくなる。だから、聴衆の反応をステージから確認しつつ進めなくてはいけない。それゆえ、時間もかかります。セミナーでは中級者も同席していますから、さぞ、イライラしているのでしょうね。「そんな、当たり前のこと、分かってるから、先に話を進めろよ。」といわんばかり。

そして、朝日新聞や読売新聞の金対談で女性タレントと話すときも、なにせ、初対面なので、気を使います。殆どが、金なんて、考えたこともない人たちばかり。質問ありますか、といわれても、そもそも、何を質問してよいかも分からない。

それでも、何十回も経験を重ねてゆくうちに、やっとコツみたいなことは飲みこめてきましたけど。

それから、写真の撮影も、初対面で挨拶して、いきなり、カメラマンさんに「はい、視線を合わせて、親しげに会話している様子を撮ります。」と言われてもねぇ。これも、最近は、いきなり至近距離から相手の女性を見つめても、自然に会話を進められるようになりましたよ(笑)。

さて、今日の旨い物写真は、まず、広島の牡蠣@牡蠣船

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安芸の国から大阪へ出張料理船みたいに、牡蠣を食べさせる船が牡蠣船。冬の風物詩だったそうです。甘い白味噌を使った土手鍋が大阪人には合う。江戸ならば、牡蠣を熱して口が開いたところに、濃い関東風醤油と寒冷ましの酒をちょっと入れ、牡蠣の味を引き立たせる。牡蠣の時雨煮や佃煮も旨い。

次の写真は、山梨から送られてきた、立派な葡萄。

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これは、まさに、ホンモノの味でした。

2016年