2016年6月20日
これほどアジア時間帯の市場が全世界から注目されることも珍しい。
23日の英国民投票の結果次第で極端な相場変動が予想されるからだ。日本時間24日午前中から徐々に開票が進み、同日14時頃には開票率100%に達する模様だ。(なお、最初は地方部から開票が進むので、離脱派有利の数字が出よう。大票田の都市部は残留派が多いが、開票結果は遅れる。)
離脱派勝利なら、円100円日経平均1万4000円台も視野に入る。安全資産として買われる金は1350ドルくらい。いっぽう、残留派勝利なら、円110円日経平均1万7000円台への反発も絵空事とはいえない。その場合、金は1200ドルくらい。
煎じ詰めれば、丁半バクチに近いイベントなのだ。
しかも、EU離脱のコストなど単なる銭金の問題ではない。
グローバリゼーション(国際化)の流れから取り残された庶民層の不満がうっ積してはけ口を求めている。所謂「体制」への反発ともいえる。それゆえ、キャメロン首相やIMF専務理事、そして米国大統領が、英国EU離脱の「コスト」について説けば説くほど、「もう、その口上には騙されないぞ。」と庶民は疑心暗鬼になる。
しかし、いざ、投票日になり、最後の決断を求められれば、離脱に不安感を覚え、「現状維持」の無難な選択に動く人たちも増えよう。
そのような特殊なイベントに賭けることは、投資とはいえない。単なる投機だ。
そのかわり、国民投票の結果が判明した直後から、欲望を抑えていた投資マネーが一気にほとばしり出るだろう。
まずは、アルゴリズム売買が全開となり、瞬間的に値が飛ぶ。
そのモメンタムに乗るかたちで、投資家も一斉に動く。
この初期反応は短期売買主体ゆえ、すぐに手仕舞われよう。
ゆえに「Brexit トレード」には要注意だ。
今晩20日のBSジャパン午後10時から生出演して、米大統領選、英国民投票などについて語ります。↓
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