豊島逸夫の手帖

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日銀が動くと円高になる

2016年9月16日

昨晩も、本欄注目の8月米小売統計が前月比-0.3%と事前予測を下回る下げとなり、これで、ほぼ9月利上げは消えたといっても過言ではなかろう。

来週の日銀「総括的検証」後も、ドル安による円高が優る可能性が強まっている。

巷間取り沙汰される日銀追加緩和も「小手先の政策変更」を見透かされて円安狙いのはずが、円高になっている。

ちょっと気になっているのが債券市場。

国債を中央銀行がいくらでも買ってくれるから、世界中の機関投資家が買いまくって、しかも、マイナス金利でも、日銀・ECBが買ってくれるので買われてきた。所謂債券バブルだ。その結果、世界的に国債の利回りが超低水準となった。とはいえ、ここにきて、中央銀行が買った巨額の国債を最終的にどう始末するのか、との疑念が高まり、特に長期国債が売られ始めている。債券は売られると、金利は上がる。この意図せざる金利上昇が生じると、市場には波乱要因となり、金も乱気流に巻き込まれ、売られるリスクがある。債券バブル破たん。今後の展開をフォローしておきたい。

もう一つ気になることは、日銀の株ETF買い。中央銀行のような公的機関が株を買うことは、そもそも禁じ手だ。あえて、それでもやらねばならないところに、今のアベノミクスの苦境がある。問題は、株式市場が、下がれば日銀が買い支えてくれることに慣れてしまって、結局、日銀依存の相場になっていること。業績の悪い株でも、日銀の買いにより値が下がらない、というのは、おかしい。最近は、兜町の売買高もめっきり減っているのは、下がるべきときに、値が下がらず、買いのタイミングが来ないので、投資家がそっぽを向いてしまったからだ。この日銀依存症のツケがいずれ廻ってくるよ。

さて、今日の旨い物写真は、門前仲町の隠れ家的中華料理店での、前菜と、フカヒレ・アワビ煮込み。通りから外れた住宅街の中にあるので、まず、分かりにくい。家族でやっている店で、おいしかった。





そして、福島の桃をトッピングした、ピーチ・タルト♪

2016年