2016年2月5日
1月の116円台は、世界株安連鎖・原油急落に起因するリスクオフによる円高。日銀の追加緩和にも手詰まり感が漂っていた。
ところが今月の116円台は、市場の景色が異なる。欧米株価・原油価格がやや小康状態のなかで、米国経済のリセッション不安そして米利上げ観測は後退。その結果としてのドル全面安に巻き込まれた円高。しかも、日銀がマイナス金利導入した直後である。
時系列的にみれば、日銀マイナス金利発表後に121円台まで円が急落。しかし、その後、米国経済指標の悪化が相次ぎ、円買いが優勢となった。
まず、日銀発表当日の29日には、2015年10~12月の米GDP成長率発表。年率換算で前期比0.7%増まで減速が確認された。
2月3日には、1月の米サプライマネジメント協会(ISM)ISM非製造業景況感指数の53.5へ低下。頼みの非製造業セクターまで、好不況の分かれ目とされる50の大台は上回るものの、下落トレンドが確認された。
そして、4日には、米新規失業保険申請件数が前週比8千件増の28万5千件に増加。
更に、米商務省発表の米12月製造業受注も前月比2.9%減の大幅マイナスとなった。
FOMC関係者の発言も利上げに慎重なハト派的なニュアンスが強まる。
1日にはフィッシャーFRB副議長が講演で、特に次回のFOMCでの利上げ議論に触れ、「分からない=We simply do not know」と答えたことが、市場の不安感を増幅させた。講演原文を読むと、データ次第だが、「不確実な世界」ゆえ「金融政策担当者たちが自信をもって言えることは、今後起こるであろうことが、現在期待していることと異なる場合が多いということ。」と語っている。やや匙を投げたかの印象すら与える物言いであった。
更に、たたみかけるように、4日には、NY連銀ダドリー総裁が、「金融情勢は昨年12月のFOMC会合時よりかなり逼迫している。次回3月の会合時にこの状態が続いていれば、政策決定を行う上で考慮せねばならないだろう。」と発言した。
フィッシャー氏もダドリー氏も、FOMC参加者の中では大物ゆえ、市場の利上げ観測を後退させるインパクトがあった。
このように見てくると、日銀マイナス金利導入も、タイミングには恵まれずとの印象もぬぐえない。
建前として円安を狙った追加緩和ではないが、市場は円安による株高を期待する。そこにドル安・円高要因がたて続けに起こった。
そもそも、マイナス金利政策は、未知の海域の海図なき航海ゆえ、その効果について、様々な議論が飛び交う状況だ。
足元の円高進行は、3日に117円台、4日に116円台と加速している。日本時間今夜5日の米雇用統計、更に、来週10、11日に行われるイエレン議長の議会証言次第では、115円台も視野に入ってきた。
円115円、日経平均1万6000円は、アベノミクスにとって正念場ともなりうる節目のラインだ。
市場の懸念は、日銀が既に追加緩和の切り札を切った直後ゆえ、「中銀頼み」が効かないこと。唯一の救いは、中国が春節入りで、上海発中国要因からは暫時解放されることか。いっぽう、原油はなんとか30ドル台を持ちこたえているが、まだまだ心もとない。原油急落によるリスクオフが115円台突入のキッカケになるシナリオは、いつ起こっても不思議ではない。
そして、株との関係だが、1月には日本株安がリスクオフの円高を誘発した。今月は、海外要因による円高が日本株の地合いを軟調にしている。
欧米ヘッジファンドの視点では、原油次第の欧米株より、日銀が切り札切った直後の日本株のほうが売り崩しやすいとの認識を感じる。
まずは、今夜の雇用統計が注目される。
NY金は1150ドル台。プラチナは900ドル台回復。
海外価格は続騰。円高で相殺されるけど、とにかく、世界的に上昇トレンド。マイナス金利も、金利を産まない金には追い風。もらえるはずの金利を払う羽目になるより、はるかにマシでしょ。
今日は10年物新発国債の利回りが0.035%だよ。
過去最低水準。
さて、今日の写真は、まず、うちのネコちゃん。
私の寝床で、大股開き。警戒感ゼロ。ちっとはレディーらしくしなさい!
それから、今朝、東京で地震。私のデスクは、書類の雪崩が。(写真は雪崩前)。
ビニールファイルに積むと滑りやすくていかんね~~。雪崩後で、重要書類の捜索に追われたよ(笑)。 気象庁は震度3と言ってたけど、事務所のある中央区は4が実感だね。
そして、ガーラ湯沢。
「奇妙雪世界」って、中国ではワンダフル!ってことなんだね~。タイ語の表示も増えた。春節は混みそう。
スキーのほうは絶好調!!体幹が鍛えられているのが分かるよ。いまゴルフやったら、アイアン切れそうだな。。。