2016年4月28日
今回ほど日銀金融政策決定会合が世界の市場で注目されたことは極めて珍しい。
ECB理事会は追加緩和に動かず。FOMCは利上げに動かず。そこで、三番手の日銀の決断が注目されたわけだ。
NYヘッジファンドも、追加緩和前提で、その政策内容について、様々なシナリオを設定していた。
しかし、結果は、日銀も「動かず」。
円急騰・株急落を覚悟のうえでの決断といえる。
効果実現に時間がかかるマイナス金利の成り行きを見守る姿勢のようだ。だが、市場は焦れる。
マイナス金利導入で、円相場が円高に逆噴射した苦い体験が、日銀に自制を促した面もあろう。
物価予測を引き下げ、物価目標達成への過程を更なる長期戦不可避と見て、追加的切り札は少しでも温存しておきたい、との思惑も透ける。
市場では、金融政策の限界が強く意識されそうだ。財政政策とのポリシーミックスが今後の注目点となろう。
円と日本株の当面の方向性はほぼ決まった。
円は105円、株は1万6千円までの展開が視野に入る。特に、日本の大型連休中に、欧米市場で円買いトレードが加速する可能性がある。
欧米ヘッジファンドは、日銀金融政策決定会合前に、膨張した円買いポジションの売り戻しに動いていた。
しかし、ここから、円買い再開、あるいは追加的円買いに動くことになろう。
日本株離れも進行しそうだ。
今回の日銀決定で、イエレンFRB議長の本音は、安堵しているのではあるまいか。
ドル高がアップルなどの企業業績に悪影響を与えているなかで、日銀追加緩和が見送られたことによりドル安の市場環境が固まったからだ。
なお、ドル安進行で、金、原油価格には更なる上昇圧力がかかりそうだ。
さて、大型連休中も世界の市場はお構いなしに荒れそう。随時、ツイッター @jefftoshima に書きこんでゆきます。
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