豊島逸夫の手帖

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「トランプ氏のほうが正直」戸惑う市場

2016年11月4日


ワシントンポスト・ABC世論調査の中で、支持率と並び注目度を集めているのが「どちらが正直で、信頼できるか」という項目。
トランプ氏46%、クリントン氏38%である。9月時点の同じ項目では、両者に差がなかった。明らかに、新Eメール発覚が効いている。
市場の大勢は、支持率が拮抗しても、獲得選挙人数でクリントン氏依然有利を見込む。しかし、新Eメール問題が「クリントン氏は正直者か。」との国民感情を生み、市場の懸念材料になっている。


外為市場では、新Eメール発覚直前には105円台でドル高円安基調であったが、その後、ほぼ一貫して円高が進行して102円台まで示現した。
FOMCで12月利上げについて、利上げ決定のために必要な証拠として、evidence という表現が、今回は some evidenceと微妙に変わった。幾分かの証拠があれば充分とのニュアンスが感じられる。しかし、市場は、ドル安の反応を見せた。大統領選挙の影響をより重く受け止めているわけだ。
そして、トランプ氏なら円高(ドル安)、クリントン氏なら円安(ドル高)との市場の想定も揺らぎ始めている。


金プラチナは引き続きこの問題で堅調。

2016年