2016年6月14日
気持ち良く晴れ渡った9日午後のニューヨーク。たまたま出張で来ていたジム・ロジャーズ氏とおちあい1時間ほど対談した。
普段見慣れぬアシスタントが紹介され同席した。
聞けば、カザフスタン人。今、カザフスタンを次の投資先として画策中という。
なにせ、同氏は7年前、誰も見向きもしなかったミャンマーを次の投資先と見定め、その後のミャンマーブームの先駆けとなった。当時、シンガポールの同氏豪邸を訪問した際に、「これからミャンマーに行く。一緒に来ないか?」と誘われ筆者は丁重に遠慮申し上げた。そうした経緯があるので、カザフスタンと言われれば、無視できない。
そもそも、一家で米国からシンガポールに移住した最大の理由が、「娘に中国語を学ばせるため、チャイニーズ・スクールに通わせる」ことだった、これからは新興国の時代という信念を身を持って実践したわけだ。
今の中国経済の危うさについて意見を求めれば、「たしかに今は中国という大国は揺れている。」と認める。それゆえ、昨年来、中国株の買い増しはしていない。しかし、既存の中国株ポジションを売る気はさらさらない、と語る。同氏の投資のタイムスパンは20年から30年という長期。全ては可愛い娘二人のため、と言い切る。「米国だってバブルを乗り越え大国となった。」中国も然り、というわけだ。
日本人として気になる日本株は、「現在保有していない。しかし、見捨てたというわけではない。」と強調する。アベノミクスが結果を出すなど、状況が変化すれば、買う意欲は充分にあるのだ。ただでさえ低イールドで運用難の時代。正直言って、良い投資先は限られるよ。」としみじみ語る。
その限られた投資先の一つとして、同氏はロシアも挙げる。これは同氏ここ2年来の持論でぶれていない。要は資源国ゆえ、売り叩かれたところは買っておく、という長期スタンスなのだ。極端な例としては「もし原油生産国ベネズエラが破たんすれば、買いだ。」とも述べる。「災害は買い buy disaster」という冷徹な眼で潜在的投資先を物色している。今でこそ資源バブルの反動が来ているが、人類が生きるために資源はやはり必要不可欠との読みである。
それゆえ、米国人女性キャスターに、「いまのうちに農業用トラクター運転免許でも取って、農家に嫁ぐ選択肢もアリだよ。」などと同氏独特の言い回しで説くのだ。
世界中をバイクで廻り、冒険投資家と言われ、実際自分の目で見ないと納得しない人物である。古希を過ぎた今も、同氏は世界を廻って新たな投資先を物色している。
さて、今日の日経朝刊一面記事に、興味深いグラフがあった。
≪騰落率(5月末と6月13日の比較)≫
NY金 |
5.5% |
米国債 |
2.0% |
独国債 |
1.1% |
日本国債 |
0.5% |
NYダウ |
0.3% |
日経平均マイナス |
-7.1% |
ドイツ株マイナス |
-5.3% |
中国株マイナス |
-2.9% |
マネーが委縮して株から金、国債に流れている。
マイナス金利でも国債売買は儲かる。日銀が買ってくれるから。
9日NYのホテル一室にて。ジム・ロジャーズ氏と。
NYMEXにてベテランと対談。
ウォール街にてロケ。日経CNBC佐久間あすかキャスターと。
風が強くて、髪がすぐボサボサになる(笑)。
うちあげは、wolfgangで、分厚いフィレステーキをたいらげた。400グラムはあったかな。ペロリ。