豊島逸夫の手帖

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トランプ・リスク、消費増税延期も

2016年3月16日

万が一、トランプ氏が米大統領になったら、株価はどうなるか。

スーパーチューズデー2.0あるいはメガ・チューズデーといわれた3月15日のオハイオ・フロリダなど主要州の予備選も終わり、ウォール街でも、ひとつの可能性として論じ始められた。

NY株は25%以上の下落などの見方が飛び交う。

共通認識としては、中国製品に45%の関税を課せば、ウォールマートで売られる商品も値上がりする。世界的に保護主義傾向が強まる。1千100万人の不法移民者を強制送還すれば、サービス業では相対的低賃金で働く従業員が減り、人件費が上がる。

富裕層を含む広範囲な減税と、社会保障維持を両立するためには米経済が5~8%の高成長を実現せねばならない。一時的な減税効果は出るかもしれないが、いずれ財政は危機的状況となる。

例外的に、潤う株価は、ロッキードなど防衛関連か。

なお、トランプ氏は、米大企業が国内課税回避のため国外保有している2.5兆ドルのレパトリ(本国送還)も主張している。これが実現すれば、NY株上昇要因になるかもしれない。

とはいえ、総じて、トランプ「大統領」になれば、経済的にはカタストロフィック(破壊的)な影響をもたらすことになろう。当然、禍は日本にも及び、消費増税どころではなくなる。

そして、今日はFOMC2日目。日本時間深夜早朝にイエレン議長が記者会見。最新ドットチャートを含むFRB経済見通しも発表される。

私は、今年の利上げは無い派。場合によっては利下げさえありうる。

昨日の小売統計も1月分が大幅に下方修正された。

マクロ経済統計は強弱入り混じるマダラ模様である。

それでも、米国は基本的に引き締め方向に金融政策が向いているので、日銀の緩和政策と方向性は全く異なる。ゆえに、外為市場の基本トレンドは円安と見る。

金は、中国経済波乱、人民元安=中国国内金価格上昇、中国人民銀行公的金準備増強などにより、流れは上昇傾向。足元の下げは、年初からNY金も20%上がったところで調整中。

今日の一品は、山菜などと刺身のコラボ。アスパラのペーストをパンにつけて食べたら旨かった。

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そして、我が家の庭にも鶯がきた。未だ、鳴き慣れず、たどたどしいけどね。ホーホケキョとは聞こえない(笑)。

桜の開花も早そう。

2016年