2016年4月4日
3月米雇用統計を「悪化」とは言い難い。ただ、イエレン議長の物差しで測れば、おそらく「追加利上げを正当化する改善」とはいえない。そこで、次の利上げの「執行猶予」期間が3か月から6か月は見込めるので、ドルが売られている。但し、年内、ドル安傾向が継続するか、と問われれば、執行が猶予されても、いずれ利上げは不可避。ゆえに、ドル高との見方は根強い。FOMC参加者の金利予測分布を見ても、中長期的には明らかに右肩上がりだ。
金曜日に発表された米経済統計でも、サプライズは雇用統計ではなく、ISM製造業景況感指数の50以上への好転にあった。
ヘッジファンドの間でも、ドル売り・円買いトレードの「賞味期限」が意識されている。6月FOMCまでには、「巻き戻し」の目論みも透ける。特に、5月は多くのヘッジファンドの決算期でもある。
「ドル売り・円買いトレードも混みあってきたな(crowded)。」
市場のセンチメントが偏り過ぎたと感じられるときの、常套句のような言い回しだ。
著名投資家ジム・ロジャーズ氏は、対談のたびに、「私はcrowdedなマーケットを嫌う。」と語る。
その点、横並び意識の強い日本人投資家は、ガラガラにすいたマーケットに自分だけ乗り込むことに強い不安感を感じ、ラッシュアワーで多くの参加者が乗り合わせることに安心感を覚える。
「タンカン・ショック」で魔の金曜日と化した日本株に対する反応も、日本では「危機的意識」が目立つが、外国人投資家は「総悲観」というわけではない。
そもそも、市場のリスク許容度は高まっている。投資家の不安度を示すVIX指数も1~2月は25をはさむ水準で乱高下していたが、足元では14前後まで下がってきた。ハイイールド債、新興国通貨などを物色するほどリスクに対して積極的になっている。相対的に日本株のリスクが突出している印象は薄い。
「相場は悲観の中に生まれ、懐疑とともに育ち、楽観の中に消えてゆく」という相場格言は、バブルへの警鐘として使われるが、総悲観への警鐘でもある。
ドル建て金価格は1220ドル台まで下落。円高も重なり円建て金価格も下落。NY金安と円高のダブルで下がることは、たまに起こる。雇用統計後、ドル安なのにNYでは金が売られたことは、市場の法則に反する動きだが、今の相場の難しさをプロも感じているところだ。各市場の動きをキレイに説明できないところに、相場は理屈だけではない生き物であることを実感。
さて、週末は自宅でお花見会。
1キロの肉を皆でたいらげた。花より団子(笑)。
富山の黒づくりも旨かった。イカの塩辛みたいなもの。酒のさかなにも、私のように酒を飲まない人でも、熱いご飯にのせて食すると美味。
デザートは長命寺の桜餅!1時間も並んで買ってきてくれた。大きな桜の葉3枚にクレープ状の桜餅が包まれている。
それにしても、想定外に寒いお花見だった。
開花した桜も戸惑っている様子だね。
そして、京都からは、「明日、筍送るよ。」との知らせ。
うう、仕事している場合ではない。京都に行って、おなじみ祇園の行きつけ「らく山」で、筍食べねば!