豊島逸夫の手帖

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マーケット動かす3大要因点検

2016年4月19日

ドーハ会議・G20を挟んで市場が乱高下している。その主たる要因は原油・円高・中国の外部環境だ。

まず、原油価格動向だが、ドーハ石油生産国会合が最後の段階で一転物別れに終わったことで一時は37ドル台まで急落したが、NY時間で39ドル台まで買い戻された。

もともと、NYMEXの場の雰囲気としては、産油国生産量凍結の期待感も、効果の評価も高くはなかった。サウジ・イランの確執など、当然分かっていたことだ。

ただ、OPEC参加国・非参加国18か国が原油価格について12時間近くも協議する場が設定されたことが、市場で一定の評価を得たのだ。原油20ドル説が市場を席巻したときは、世界の石油生産国が無秩序に増産に走るシナリオが懸念された。原油安底なし沼のごとき恐怖感が支配したときに比べれば、潮目は変化している。NYMEXの原油投機家たちの間でも、「原油空売りを仕掛けにくくなった。」との慎重論が目立つ。

生産者に減産を強いて需給バランスを回復するためには、価格が急反騰するより、いましばらくは40ドル以下の水準が続くことが結果的には望ましいとの深読みもある。ゆえに、現水準の居心地が良いというわけだ。

それゆえ、本欄13日付け「原油42ドルへ急騰」でも「同会議が決裂しても失望売りが出ても、価格水準は35ドル程度で食い止められる。」「(40ドル以上の水準から)空売り再開の誘惑も強いが、35~40ドルあたりで、早めに買い戻す。売っても深追いはしない。」との場の雰囲気を伝えた。

原油価格が50ドルに戻る期待感より、下支えの水準が緩やかに切り上がっていることが重視されているのだ。

原油との相関関係が極めて強いNY株式市場で、原油安が小幅にとどまったことで、18日のダウ平均は1万8000の大台を突破して引けたことも、潮目変化の兆しであろう。


次に、日本株二つ目の逆風である円高について。

G7でのルー米財務長官の「(現在の為替水準が)秩序的=orderly」との言い回しが、介入牽制発言とされている。

週明けの円相場も一時は107円台に突入したが、結局109円台に戻している。この背景には、くすぶる6月米利上げ説が指摘される。FOMC内での米国経済予測が割れていることは今や周知の事実で、市場の不透明要因となっている。6月利上げの可能性も捨てきれず、通貨投機筋も、ドル売り円買いの仕掛けを105円まで深追いすることについては慎重にならざるを得ない。円買いパーティーに参加はするが、いつでも退席できるように、出口近くに陣取るかのごとき姿勢だ。ルー発言後の18日は、介入牽制とはやし、円買い攻勢をかけるには絶好のタイミングであったが、投機筋は動かなかった。原油が思ったほど下がらなかったことも、リスクオフの円買い抑止効果があった。


そして、3つ目の中国経済。

原油安とドル安により、中国は「漁夫の利」を得ている面もある。

そもそも中国は原油消費国だ。原油安は内需主導経済への移行を目指す構造改革には追い風である。

米国当局のドル安政策バイアスも、人民元相場防衛のため巨額の外貨準備を取り崩してきた中国人民銀行にとっては朗報といえる面もある。そもそもドル高が中国からのマネー巨額流出を誘発してきたからだ。

とはいえ、人民元高圧力がかかると、輸出産業には打撃となる。中国経済がなんとか年率6.7%でもちあっている現状も、インフラ投資増とならび輸出増によるところが大きい。構造改革を唱えつつも、失業の痛みを抑えるために足元ではオールド・エコノミー(旧常態)に依存せざるを得ない。最新の経済統計でも、貿易統計では3月の輸出がプラス11.5%に転じており、建設・設備投資の動きを示す「固定資産投資」も1~3月期には10.7%増加している。

人民元と雇用を同時に安定させることは極めて難しい。内需と外需も、適正な依存度のバランスを中国指導部は模索している。

市場は、中国の緩和政策に期待する。上海株も小康状態だ。

しかし、民間の債務増による見かけの経済成長は、いずれツケを払うときが来る。その際たる例が不動産市場であろう。

18日に発表された3月の主要70都市新築住宅価格動向も、大都市中心だが、全体の9割にあたる62都市で上昇した。住宅ローン債務条件緩和などが、消費者心理を支える不動産価格を押し上げている。

構造的脆弱性から抜け切れない中国経済は、依然、目が離せない材料である。

金価格も株とドルの動きで決まっている。

そして、今日の写真は、庭で今朝一斉に開花した花。普通はGW頃に咲くのだけど、今年は早い。

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温暖化で、ガーラ湯沢の雪も、遂にGWまでもたず。あえなく、実質休場。私はGWも行くつもりだったから、シーズンロッカー撤収作業に行かねば。

それから食べ物は「うかい」の豆腐料理。トーフは大好物。東京タワー下の店は、日本庭園がきれいで、ガイジン観光客が多い。

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2016年