2016年4月13日
原油先物価格WTIが200日移動平均線を突破した。
この24時間で、NYMEXの原油ピットの雰囲気(センチメント)が急速に改善している。
終値は42ドル台。時間外でも、42ドルの攻防が続いている。
最大の材料である今週末の石油生産国ドーハ会議で、仮に生産凍結合意に至らず、失望売りが出ても、価格水準が35ドル程度で食い止められるとの読みが背景として指摘される。
直近の40ドルからの反落局面も価格が36ドル近傍に抑えられたことで、レンジの下限が徐々に固まり、心理的安心感を醸成した。
仮に、ドーハ会議で合意すれば、本格的に200日移動平均線を突破して、45ドル程度の水準も視野に入る。
NYMEXフロアーの後輩たちに直接聞いてみても、「この水準から空売り再開の誘惑も強いが、35~40ドルあたりで、早めに買い戻す。」などのコメントが目立つ。売っても、深追いはしない、との姿勢だ。
原油価格の現先スプレッドが大幅に縮小していることも、足元での需給ひっ迫感を示す現象だ。
2015年12月8日付け本欄「ウイーン発冬の嵐、原油30ドル台の衝撃度」の時点では、期近(2016年1月もの)が37.60ドル、2017年1月ものは46.20ドルであった。対して、昨日12日には、期近(2016年5月もの)が42.17ドル。2017年5月ものは46.65ドル。現先スプレッドが8ドル台から4ドル台に半減している。一年後受け渡しの価格水準は変わらないのに、期近価格が上昇しているのだ。
原油価格が少なくとも底なし沼から抜け出した印象が強い。
もちろん、現状の高い水準の生産量を凍結しても、供給過剰が根源的に解消されるわけではない。イラン不参加での合意では、限界がある。インターファックス通信は、イランの出方に関わらず、サウジとロシアは凍結に合意との報道を流すが、これまでも、ロシアが結局、市場を失望させた事例の記憶も未だ鮮明に残る。懐疑的見方も根強い。
とはいえ、株の安値が、原油20ドル台を覚悟した水準であったことを思えば、26ドルから42ドルへの上昇は、かなりの株価底上げ効果となろう。
円高も、米利上げ後退観測によるドル安要因とならび、原油安によるリスクオフで安全通貨としての円が買われた経緯がある。
円買いエンジンの一つが失速すれば、通貨投機筋も、囃す材料が少なくなる。
これまでマーケットの大きな不安要因となっていた原油安に、潮目変化の兆しが見えてきた。
株安・円高トレンドを転換させるほどではなくても、一定の歯止め効果は見込めそうだ。
貴金属市場ではプラチナが再び1000ドル接近。
下がっても反発するようになって、堅調。
さて、今日の食べ物写真。
ブラジル系女子が作って持ってきてくれた「タケノコご飯」。
これも京タケノコで美味。日本料理の腕も上げたね。
そして、桑名の蛤、とろろ昆布そえ。
若狭のサバの押し鮨。
ダイナミックな一品。