豊島逸夫の手帖

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ソロス氏が売ったのはドイツ銀株

2016年6月29日

英国民投票前に「私の60年間の経験によれば、ポンドは急落」と語り、「もし離脱となれば、少なくとも15%、場合によっては25~30%急落しよう。」と語っていたソロス氏。

(詳細は21日付け本欄「ソロス氏警鐘、24日にはブラックフライデーも」を参照されたい。)

1992年にイングランド銀行を相手にポンドを売りまくり、同銀行に勝った男として名を馳せただけに、当然、今回もポンド売りを仕掛けたと市場では見られていた。

しかし、英国民投票後に、ソロス氏のスポークスマンが「ポンドはロング=買っていた。しかし、世界市場への悲観的見方から、他の投資で儲けた。」と語っていた。

その「他の投資」がドイツ銀行株空売りであることが、ドイツ当局への報告で判明。独主要紙の報じるところとなった。

約700万株の売り。日本円換算で約100億円相当に達する。

英離脱後、リスク回避で独国債が安全資産として買われる傾向が加速。マイナス金利幅が更に拡大するなかで、銀行経営環境は厳しさを増し、欧州中心に世界的に銀行株が売られた。しかし、昨日には、売られ過ぎの反動による買いとなっている。とはいえ、銀行株価の本格的回復は難しそうだ。

ソロス氏は既に保有ドイツ銀株の一部を売り払った、との噂も流れる。一時は現場から退き、院政を敷いていた同氏だが、最近「現役復帰宣言」していた。1930年8月生まれの85歳。お見事な腕前。脱帽である。

そして、英離脱劇は、EU27プラス1(英国)のサミットの場へ。時間稼ぎで良い条件を引き出そうとする英国。いっぽうEU側は、直ちに決めて見せしめ的に厳しく追い出せ!さもないと「離脱ドミノ」つまり、次はうちも国民投票と続出しかねない、という声も。英離脱がひとめでわかるボードを添付したから見てください。出来るだけ大きく拡大できるといいのだけど。

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金市場もかなり注目度高い。不安感が一巡すれば先物に利益確定売りが出る。下がったところで中国が買う。その水準がどの程度か。注目。

プラチナが上がらないね~~金との値差はついに330ドルを超えた。超割安感あるね。長い相場の体験から推すと、こういう状況が続き、皆が、プラチナは金より安いのが当たり前みたいになったときに、逆回転始めるもの。ここは数年のスパンで見るべし。

今週土曜は、久しぶりにABC朝日放送、土曜朝9時半からの90分情報番組。英離脱のなかでフランス、オランド大統領の動きに注目する。もちろん大阪風味づけで仕上げる(笑)。 東海、北陸地区でも見られるようになった。「正義のミカタ」。

そして、英EU離脱、緊急セミナー。

たまたま7月4日に大手證券会社でセミナーのスケジュールが入っていたので、最新情報交えて、金市場の動きも含め、話したいと思います。

2016年