2016年8月22日
6月10日に開催された「東京2020運営計画への連携プラン提案」検討会合で、2020年東京五輪のメダルをスマホや携帯などからの回収金で作るというアイディアが議論された。NTTドコモや貴金属業者なども同席した。
12年のロンドン大会のメダルで使われた金は9.6キロ、銀は1210キロ、銅は700キロ。14年に日本国内でスマホ携帯などから回収された金は143キロ、銀は1566キロ、銅は1112トン。
五輪メダルに使われる金属はこれまで鉱山会社の寄付などで賄われてきた。今回のリオ五輪ではリサイクル金属が一部だけ使われた。
但し、問題点は実際の回収方法。
通常、回収された金属は電子部品の材料として再利用されている。
このオリンピックメダル製造のために、新たな流通インフラを作る必要がある。
以上が報道されている内容だが、プロの視点では、膨大な数のスマホ・携帯機材が回収される仕組み、そして、そのリサイクルインフラを国民に知らしめ協力してもらうためのPRなど、決して容易ではない。そもそも、古いスマホは個人情報も入っているから、リサイクルには出さないよね。だから以前、ポイント制とかで、メリットを付けるなど、インセンティブが必要と書いた。
アイディアの主旨には共感するが、果たして可能か。疑問は残る。
更に、リサイクル業界では、訪問回収業者などに悪徳業者の事例が少なくない。PRのノイズを上げるほど、悪意の業者が入り込む可能性があり、ここでも、真面目な業者のPRが必要だ。
なお、世界的に金需給を見ると、供給サイドで、2015年は、鉱山会社が採掘した金鉱石から抽出された純金生産量が3158トン。リサイクルによる再生産量は1173トン。いまやリサイクルは重要な供給源になっているのだ。
さて、今週号日経ヴェリタス「豊島逸夫の逸's OK!」に、「トレーダーに欲しい五輪選手」という原稿を書いたよ。それは、タカ・マツのペアと金藤理絵選手(200m平泳ぎ金メダル)。そのワケは?読んでみて(笑)。
それから、ツイッター@jefftoshimaに呟いて反響が大きかったこと。
競歩接触失格事件について。カナダのダンフィー選手コメント。
「どうかなと思ってビデオ見て、私が彼の方に寄ったとは言えない。けれども、自問したんだ。これで銅メダルをもらって、誇らしく夜を眠れるかって。結論は、私は自分のレースを誇らしく思う。彼からメダルを奪い取るようなことは出来ない。アライも僕も同じ世界で同じように傷ついているんだ。」
本音で語るスポーツマン。いい奴だよ。
最後に24日の読売新聞朝刊に金対談がでるよ。