豊島逸夫の手帖

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Brexitショック、現実に

2016年6月24日

まさか。

世界のマーケットが激しく揺れている。

米国ではトランプ氏の高笑いが聞こえるようだ。

円高も新たなステージに突入した。

安全通貨としての円にヘッジファンドのマネーが激しく流入している。

しかも、当面、米利上げは考えられない状況。ドルは売られやすい市場環境だ。

100円を割り込んでも、円買いのモメンタムが加速しそうである。介入は必至。

今後はAIを駆使する高速度取引と当局のせめぎ合いになろう。

株式市場は、世界同時株安の様相。

ヘッジファンドも日経平均1万4000円台で更なる売りを視野に動く兆しがちらつく。

歴史的な日といっても過言ではあるまい。

マーケットで上がっているのは金。

1260ドル台から1300ドル台へ急騰している。

まさに「経済有事」を象徴するような値動きだ。

マクロ経済的には、EU分裂危機に切迫感が増してきた。

欧州主要国内の排他的な独立派も勢いを得よう。

主要国の内向き、引きこもり現象も更に進行しそうだ。

マーケットも長期経済停滞に備える動きを模索することになりそうだ。

欧州と経済関係が深い中国とロシアも、EU分裂までは望まない。

「適度のEU不安」が両国の存在感を高める意味では、ベストのシナリオであろう。それゆえ、習主席もプーチン大統領も複雑な心境と思われる。

この点については、22日付け本欄「英投票日、中露首脳同席で高みの見物」を参照されたい。

今後のマーケットに、障害物競走のごとく、雇用統計、FOMC、米大統領選挙、中国経済不安などのリスクが立ちはだかる。

リスクを回避すること自体が難しくなった。

24日(今晩)テレ朝、朝まで生テレビ、「激論アベノミクス」に生出演します。

出番は30分ほど。英国EU離脱のアベノミクスへの影響などを、各党代表と激論。


27日月曜日、午後2時からの日テレ系「ミヤネ屋」に生出演して、英EU離脱問題語ります。

2016年