豊島逸夫の手帖

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まさかの雇用統計、波紋広がる

2016年6月6日

円相場が111円台から円高傾向に反転。モメンタムが円買いに傾きつつあるところで、米雇用統計大幅下振れが起きた。

5月単月に限れば、統計的「外れ値」ともいえる。10万人程度であれば、ヴェライゾン社3.5万人のストライキで、ある程度説明できる。しかし、新規雇用増が3.8万人に留まり、しかも、前月前々月も下方修正されたので、一過性とは言えなくなった。失業率は4.7%にまで低下したが、労働参加率も62.8%から62.6%にまで低下している。就職活動を諦めた人たちが増えたことによる失業率下落の様相だ。

FFレート先物から計算される6月利上げ確率も、乱高下している。一時は4%まで下落したが、FOMC議事録後、38%にまで急騰。しかし、5月雇用統計後は再び4%にまで急低下中だ。

その結果の円高急進行。

日米財務相レベルでの、為替介入を巡る対立も、顕在化しそうだ。今晩のイエレン講演も注目だ。従来のスタンスから推せば、FRBとしての見通しが単月の動きに振られる可能性は低い。

そして、このような不透明性は、市場の投機化を加速する。

105円台も視野に入る。

円売りポジションの損切り手じまいに加え、新規の円買いポジション醸成も目立つ。ヘッジファンドは、更なる円高を見込む動きに傾いている。

日本側の視点では、参議院選挙(参院選)直前の円高異変となった。

「世界経済リスク」による消費増税再延期を正当化するとも読めるし、円安主導のアベノミクスには逆風強まる、ともいえよう。

そもそも、伊勢志摩サミットでの「リーマンショック級」発言が注目されただけに、国際経済に振られる選挙となりそうだ。

参院選中に6月の雇用統計が発表される。

そこで、また一波乱あるかもしれない。7月利上げが浮上すれば、ドル高円安に振れるシナリオも考えられる。

いっぽう、英国民投票によりEU離脱となれば、100円の大台割れ説も無視できない。

6月利上げを視野に1200ドル攻防を演じていたNY金価格は、急反騰。1240ドル台。プラチナも連れて急上昇。一夜にしてマーケットの景色が変わった。

荒れる6月相場の開幕である。

そして梅雨入り。

紫陽花も菖蒲も満開。

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Team Jeff も全開w

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2016年